生きている会社、死んでいる会社 書評/まとめ

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生きている会社、死んでいる会社

この本は田町駅近くにあった書店にデカデカとポスターが貼ってあり、そのポスターのこのタイトルが目に入ってきたので、手にとった1冊。

僕がこの本を手にとる時に考えたのは……。

「人には二種類の人がいる」

ということ。

活発に生きる人間と、死んだような人間。

病気などでやむをえない事情がないにも関わらず、なぜか死んだようになってしまう人がいる。

それはきっと企業も同じ、生きている企業と死んだような企業がある。

それは何がポイントなのか。その視点で書かれた本なら、面白そうだ。そんなことを考えて、この本を手に取った。

本を読んで感じたのは、最も重要なポイントは「新陳代謝」。

これは一般的な新陳代謝と同じで、古いものが新しいものに次々と入れ替わること。

それでは印象に残ったポイントをご紹介していきたい。

印象に残ったポイント

実践すべき10の基本原則

  1. 代謝のメカニズムを埋め込む
  2. 「ありたい姿」をぶち上げる
  3. 骨太かつシンプルな「大戦略」を定める
  4. 「必死のコミュニケーション」に務める
  5. オルガナイズ・スモール(小さいチームをたくさん作る)
  6. 「実験カンパニー」になる
  7. 「言える化」を大切にする
  8. みんなでよい「空気」をつくる
  9. 管理を最小化する
  10. リスペクトを忘れない

経営者の4つの仕事(役割)

  1. 扇動者
  2. 羅針盤
  3. 指揮者
  4. 演出家

企業の目的

会社の目的は次のとおりだ。

「社会や顧客が求める(歓迎する)独自価値を創造する」

稼ぐことではなく、挑戦することが企業にとって大事。挑戦を企業文化にまで高めることが重要。挑戦(攻め)を忘れれば、いずれは滅びる。

「『稼ぐ』力を高めることは目的ではない。あくまで手段。なんのために稼ぐのか。それは挑戦するため。挑戦こそが会社にとって何より大事」

「攻めを忘れた会社は、魅力がないばかりか、必ず衰退し、いずれ滅びる。挑戦を『会社の文化』にまで高めなくては、『生きている会社』にはなれない」

生きている企業

生きている企業は新陳代謝が高い企業。一般的な新陳代謝は古いものが新しいものに次々と入れ替わることだが、まさにそれと同じだ。

「新陳代謝とは『捨てる』『やめる』『入れ替える』」

「『生きている会社』とは、『挑戦ー実践ー創造ー代謝』という循環が回り続け、常に『デーワン』の状態を保っている会社」

「Amazonジェフ・ベゾスの言葉『大組織の内部に、どうデーワン(1日目)の活力を保つか。デーツー(2日目)の会社は『死んでいる会社』」

死んでいる企業

死んでいる企業は新陳代謝が起こらない(起こりづらい)企業。古いものが新しいものに入れ替わらない。

「『死んでいる会社』とは、『管理ー抑制ー停滞ー閉塞」という循環」

管理の仕事には「歯止め」がない。精緻にやろうと思えば、いくらでも細分化し、精緻に緻密にやることができる(際限ない)。

そして、全てのリスクを粗探ししようとする。リスク分析、リスク管理は経営に必要だが、あらかじめ全てのリスクを見通すことはできないし、経営の本質はリスクテイク。やってみなければわからないこと、やってみたからこそ、わかることがある。

「管理部門肥大化による官僚主義は『オーバー・アナリシス』『オーバー・プランニング』『オーバー・コンプライアンス』」

すぐにまとまるような会議が増え始めたら、要注意。建設的対立が起きないことは、間違いなく老化の兆し。過去の成功は未来を保証しないばかりか、新たな創造を大きく阻害する。

新陳代謝

企業は新陳代謝を繰り返すことによってのみ活性化し、「生きている」状態を保つ。

「新陳代謝とは『引き算』。何かを捨てなければ、新しいものは得られない」

「新陳代謝すべきものは『事業』『業務』『組織』『』」

当然と考えていることにも、あえて否定的な問いかけをし、思い切りメスを入れていく。

生きている企業の3つの条件

『熱』+『理』+『情』=『利』

  • 『熱』:ほとばしる情熱
  • 『理』:徹底した理詰め
  • 『情』:社員たちの心の充足

企業には「経済体」「共同体」「生命体」の3つの側面があり、『熱』は生命体から生まれ、『理』は経済体から生まれ、『情』は共同体から生まれる。

『熱』

生きている企業は『』を帯びている。
熱を帯びるようにする方法はたった一つしかない。

「経営トップが信じる『会社の目的』や『思い』『信念』を自らの言葉で語り、自ら汗をかき行動すること」

「『会社の目的』、すなわち『自分たちは何のために存在するのか』を語ることはトップにしかできない。自らが火だるまになって、自らが信じることをやり遂げようとしているか。
『熱』はその行動から生まれ、社員たちへと波及していく」

理念を策定するのに、社員の意見を聞く必要などない。理念は会社の存在理由であり、会社の中心。それは経営トップ自らの心に問いかけ、決すべきもの。

『熱』が失ってしまった場合、次の2つの方法で取り戻す。

  • 原点に戻る:「デーワン」の時の目的や理想に立ち返る。
  • 新たな理想を掲げる:未来志向で新たな理想を掲げる

『理』

生きている企業は『』を探求している。
真に理詰めであろうとするなら、現実と向き合うこと。

「『事実』に徹底的にこだわること。現場・現物・現実を重視する『三現主義』を経営の根底にしっかりと据えなくてはならない」

■戦略レベルの『理』

「会社は何を営むべきか」という事業の方向性を決める段階において、理詰めでなくてはならない。戦略は「差別化シナリオ」

  1. 「適社性」を重視する(選択と集中)
  2. 中長期視点で洞察し、決断する
  3. 「コア」を育てる
  4. スピーディーかつ粛々と代謝を進める

■実行レベルの『理』

VUCA:不安定性、不確実性、複雑性、曖昧模糊を生き抜くには、戦略とケイパビリティを両輪に据えた複眼的な経営が求められる。

  1. 実行を「科学」する
  2. スピーディーを武器にする
  3. 「微差力」を磨く
  4. ナレッジ・ワーカーを育てる

『情』

生きている企業は『』に満ちている。
最も深刻な老化は身体的な衰えではなく「感情の老化

「マネジメントのほとんどがあらゆる資源のうち人が最も活用されず、その潜在能力も開発されていないことを知っている。だが現実には、人んマネジメントに関する従来のアプローチのほとんどが、人を資源としてではなく、問題、雑事、費用、脅威として扱っている」
ドラッカー

やりがい』+『承認』=『心の充足

知には情を説得する力がない。やりがいをつくるには次の3つの方法がある。

  1. 「教会」を見せる(ミッションを見せる)
    職人に対し、レンガを積むのでもなく、生活のためでもなく、教会を建てているというミッションを見せる。生きている会社で働く人はミッションを遂行し、死んでいる会社で働く人はタスクをこなす日々に追われている。
  2. 適度なストレスを感じる仕事を与える
  3. 任せきる(自責と捉え、人の期待に応えることで人は成長する)

失敗や挫折を他責ではなく、自責と捉えることで人は成長する。人の期待に応えようとすることほど、人が成長する場面はない。

承認欲求が充たされていない現場は無表情。単なる作業マシーン化は死んでいる会社の典型的な症状。無関心こそが最大の敵

書籍内容

事業、業務、組織、人―4つの「新陳代謝」で会社は強くなる。働き方が変わる!新しい組織論。

  • 「30年の経営コンサルタントの結論」として、最も書きたかったことは何だったのか?
  • 「見た目の数字」や「業績」よりも「組織が生きていること」が重要な理由とは?
  • アマゾン、アップル、フェイスブック、トヨタ、マザーハウス……世界中で「生きている会社」は、どんな工夫をしているのか?
  • 「組織の熱」「仕事のやりがい」はどう作り出せばいいか?
  • 組織を「新陳代謝」する秘訣は何なのか?「デーワン(1日目)」の活力を保つ方法は?
  • 具体的に、「何を」「どう」すればいいのか?

経営コンサルタント30年の「知識」と「実例」を完全公開!

「企業の実践例」も具体的に、わかりやすく紹介!

この1冊を読んで、「人」と「組織」、そして「働き方」を劇的に変えよう!

著者情報

遠藤 功

ローランド・ベルガー日本法人会長
ローランド・ベルガー日本法人会長。早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、現職。経営コンサルタントとして、戦略策定のみならず実行支援を伴った「結果の出る」コンサルティングとして高い評価を得ている。ローランド・ベルガーワールドワイドのスーパーバイザリーボード(経営監査委員会)アジア初のメンバーに選出された。株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。日新製鋼株式会社社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。コープさっぽろ有識者理事。
『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』(以上、東洋経済新報社)、『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)など、ベストセラー著書多数。

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