人気商品の力
友人と銀座のカフェで会っていて、この後はどうしようか、という話になりました。
「食事にでも行こうか」と。
すると、その友人はiPhoneで『食べログ』をチェックして、場所(銀座)と入力し、ランキングでレストランをチェックし始めました。1位から順に、です。
あなたも同じようなことがあると思います。
『食べログ』などを使っているのであれば、ランキングの1位から順に見ていって、1位で満足しない条件であれば、2位、3位と次々に見ていくのだと思います。
これは『Amazon』を使っていても『楽天』などでもそうです。人気の商品やサービス。今回のようなレストランなどでも、その商品を体験もしていないのに、ランキングで上位にあるから、そこに行こうかと、顧客に検討してもらえるわけです。これがランキングの力であり、人気商品の力なんです。
顧客は体験もしていないのに、「コレ(ここ)は良さそうだ」と考えてしまうわけです。
ランキングに興味がない人々は…
「ランキングには興味がありません」
そう話す人々も確かに存在します。彼ら彼女らはランキングなどに確かに興味がありません。ですが、大抵の人は違います。多くは他人が何を買うのか、何が評価されているのか、それらが気になってしまうわけです。
特に1位の商品は圧倒的に売れてしまいます。1位のモノであれば、即購入という人もいるし、即購入でないとしても1位であれば圧倒的に有利です。
逆にいえば、100位よりも下であれば、もはや見てももらえないかもしれない。
1位は違います。しっかりと注目を集め、検討する段階には確実に入ってしまうわけです。そして、買ってもらえる確率も高い。これが1位の「力」です。そして、この力こそが、「1番手の法則」といいます。
1番手の法則
「1番手の法則」は非常に有名な法則で、僕がマーケティングを仕事にし始めた16年前にまず学び、取り組んだ法則がまさにコレでした。
「1番手の法則」を提唱したのがアル・ライズ。アルの著書『マーケティング22の法則』で強く訴えているのがこの「1番手の法則」です。
マーケティングの基本的な課題は、先頭を切れる分野を創造することである
カンタンに言うと「1番が重要」だということ。
この1番手の法則は先ほどのランキングでの1位の力を考えれば、当然のことですよね。1番手にあるモノは売りやすいわけです。
アル・ライズはこう言っています。
月面着陸をした最初の人の名前は記憶に残る。でも、2番目に着陸した人の名前は記憶に残らない。重要なのは1番であり、2番や3番ではダメだと。
僕が関わった起業家の方などでも、この1番手の法則で創業間もない段階ですぐに年商2億に達したし、年商10億レベルの規模の事業になったケースもあります。
誰もが知る事例
多くの人が知る例でいえば、トヨタのプリウスはまさにそうです。
2009年5月に発売した新型プリウスは燃費性能で1リットルあたり38キロメートルを達成。まさに世界一の燃費性能となったわけです。こうした1番の力が人を引きつけ、信用させ、購入させてしまうわけです。
あなたのビジネスは何が1番か?
「世界1のモノなど、ありません」とあなたは思うかもしれない。
でも「世界1」でなくても構わない。あなたが対象としている市場でも構わない。どこかで1番のモノを探すことだ。
世界という規模でなくても、狭い社会、小さな規模でも確実にインパクトがある。たとえば、会社の同期で1番というだけでも、高い評価を受ける。それがたとえ、10人だとしてもです。「世界」という規模でなくとも、まずは小さな分野でも1番になればいいわけです。
よく間違えているケース
ココは非常に間違いやすいのですが、1番手の法則ははじめに市場に参入することが重要というわけではありません。
「ウチが最初にこの分野の商品を創ったんですよ」
などと言う起業家もいるのですが、それが重要なわけではないんです。あくまでも、顧客の心の中に最初に入り込むことが重要だということです。
たとえ、最初に市場に参入したとしても、それが「1番だ」と顧客に認識されていなければ、意味がないということです。顧客の心や脳にあなたのビジネスや商品が「1番だ」と刻み込まなければ意味がないわけです。1番と刻み込めば、あなたは強烈な力を得ることになります。