『共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』
今回、ご紹介するのはPRの本。
ただ、PRはもちろん、何らかの商品やサービスのプロモーションを展開する時。それが世の中(消費者など)にどのように受け入れられるかは多くの人が気になるはず。
「受け入れられるのか(共感されるのか)」「何1つ共感されず、無視されたようになってしまうのか」
実際、反応があるかないかは非常に重要で、そんな時にオススメなのがこの本だと思う。
『共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』
本は2017年1月20日発売なのでもう1年ほどが経過しているのだけど、気になる人は読んだ方がいいと思う。
内容はタイトルにPRとあるし。帯には「バズらせた話」が掲載されているので。「バズる」のに何が重要かということが本題ではあるのだけど。冒頭で話したとおり、プロモーションなどさまざまな話につながる。
読みやすいし、基本的なことから説明されているのでわかりやすい。
顧客の共感を得たい、世の中を何らかの形で動かしたいという人にはとても参考になる一冊だ。
印象に残るポイント
売り手が能動的にバズらせることができる
「今や、世の中を動かしているのは、クチコミが先で、テレビや新聞が後」
「人から人へ伝わるクチコミはもちろんですが、今は、ネットのニュースやブログ記事、あるいは、Instagram、Facebook、TwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上から広まる”ネットクチコミ”の威力も絶大です。『これからのPR』では、こうした新しいメディアを上手に使いながら、新聞やテレビなど旧来のメディアを巻き込むことが求められます。
もっと言えば、これからのPRは、売り手主導で、能動的にバズらせることができる」
「基本的に『メディアやSNS に情報を流す場合、何が最もアピールできるポイントになるのか』を念頭におく」
バズらせることができる、と書かれているのだけど。実際には世の中を動かすということは顧客を動かせるし、結果的には売ることにもつながる。その意味では、売ることにも、顧客を動かすことにも、世の中を動かすことにもつながる。
バズらせる上で重要なのは「8✕3の法則」
「8✕3」はバズらせる上で効果を最大化させるのに必要な法則
「「自社の商品やサービスを探る」(8)
✕「消費者に受け入れられるか検証する」(3)」
自社の商品やサービスにおける強みが、消費者に受け入れられるのかを考えるという流れになっている。売り手である企業側が考えたものが、独りよがりにならないようにしていくということだろう。
自社の商品やサービスを探る(8)
まず最初の8つは次の軸で見ていく。
次のように新規性から地域性までを見ていく。実際の現場ではより強力な順に1から8まで優先順位をつける。ただ、1の新規性は不動で。2から8までの順番を変えたり、組み合わせることで効果を高めることもできる。
- 新規性
そのサービスや商品にはナンバーワン、オンリーワンだと言える何かがありますか?
それは、世界中や日本中、業界内で初めての試みですか? - 優位性
競合や既存のサービスと比べて、明らかに違っていたり、優れている(優位性がある)ことはなんですか? - 意外性
知人や顧客に話したら、「へぇ」と感心される、「ホントに!?」と驚かれた、「まさか! 信じられない! 冗談でしょ?」と笑われたことはありませんか? - 人間性
開発や販売などに深く関わる人や経営者のエピソード及びストーリーはありますか? - 社会性
世の中の流行やトレンドに重ね合わせることで、人々の興味や関心を喚起できることはありますか?「社会ごと」に変えられるキーワードがありますか? - 貢献的意義
その商品やサービスについて社会や世の中の問題解決に役立つことはありませんか? - 季節性
季節との関連性がある、または制定されている記念日や日にちの語呂などに掛けられるテーマはありませんか? - 地域性
その地域限定やエリアならではの特徴はありませんか?
消費者に受け入れられるか検証する(3)
企業側の視点で見た商品やサービスの強みを、消費者視点に置き換えてみても変わらず強みといえるのかどうかを確認・検証する。
- 社会の視点
社会が求めている情報か - 人(ターゲット)の視点
ターゲットとなる人に、本当にアピールできる情報か - メディアの視点
メディアが取り上げたくなるような情報か
8の要素にこの3つを掛け合わせると、何をどのように訴求していけばいいのかが明確に見えてくる。
ただし、すべての情報がこの3つの視点を満たさなくてもいいが、それでも最後のチェックのためにも実施した方がいいということ。
書籍内容
今、ヒットを生み出す最も効果的なPRは、新・旧メディアを使ったハイブリッド戦略である。
「めざましテレビ」「笑っていいとも」の放送作家から転身、PR業界で数々のブームを仕掛けてきた著者が、低予算で効果抜群のPR術を公開する。もはやテレビに出ただけでは売れない!
著者情報
上岡正明(かみおか・まさあき)
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役。一般社団法人日本脳科学マーケティング学会代表理事。1975年生まれ。27歳で戦略PR、ブランド構築、コンテンツマーケティングのコンサルティング会社を設立。現在まで16年間、実業家として会社を経営。これまで、三井物産やSONY、三菱鉛筆など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。同時に、放送作家として「笑っていいとも」「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「タモリのスーパーボキャブラ天国」「クイズ$ミリオネア」など人気番組の企画・構成、脚本家として日本テレビ「週刊ストーリーランド」などを担当。「日経ビジネスアソシエ」(日本BP社)や「企業診断」(同友館)などに寄稿・執筆。バンタンJカレッジ客員講師、元静岡放送審査委員。日本マーケティング学会会員、日本神経心理学会会員、日本行動心理学協会会員、一般社団法人日本行動分析学会会員