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『スター・ウォーズ ジェダイの哲学』
『スター・ウォーズ』ファン、特に旧作のファンであれば、絶対に読むべき1冊。
僕は以前からファンで12月15日公開の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』も当然観ている。
ただ、正直なことをいえば、1983年からスタートし、2005年に公開を終えたエピソード1から6までと、配給会社がウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズに変更となったエピソード7以降ではやはり違う。
そもそも、構想者であるジョージ・ルーカスが制作総指揮ではないし。実際に見ていても、何かが足りない。もちろん、ファンだから、心踊る場面もあるし、観にも行くのだけど、やはり違う。
その違う部分はこれまでの『スター・ウォーズ』がもつ哲学的なところだろう。「フォースと共に在れ」(May the force be with you.)などと、例の名台詞を話していても、やはり違うのだ。
その哲学の深さがまさにこの『ジェダイの哲学』では説明されている。
僕はファンだから、全ての場面を思い浮かべながら読むことができるけど、この本ならスター・ウォーズを知らない人にでも面白いと思う。
哲学者であり、自己啓発書でもある。そんな本だ。この『起業マーケティング』の読者、起業家やフリーランスの方にもオススメの本だと思う。
印象に残ったポイント
現実
現実とは自分の信じた世界。自分が何者であるかですら、自分の信じたもの。
「現状に満足していないのなら、自分の力でその現実を変えればよかろう。われわれはいつだって気に入らない現実を変える力をもっているんだぞ。思いはフォースを通じてこの世界に反映されている。望めば何だって実現するんだ」
「現実とは自分の信じた世界なんだよ。『難しい』『できない』『無理だ』口をついて出るこのような否定的な言葉には注意するがいい。きみがそういう思いを発しているうちは、たとえそれが無意識だったとしても、いつまで経っても物事は『難しい』『できない』『無理』のままだろう。なぜなら、意識を集中させたことが現実を作るからだ」
「『やる』か『やらぬ』かだ。『やってみる』はない」
「『自分が何者であるか』すら、自分が信じたものにほかならない」
恐れ/感情
恐れは憎しみ、憎しみは、自らの苦しみへとつながる。そして、それは手放すこともできる。
「喪失の恐れは、やがて理解してくれない周囲への怒りとなり、アナキンを苦しめるのだった」
「母を失うのが怖いのじゃな?どうじゃ?
(中略)恐れはダークサイドへの道じゃ。恐れは怒りへ、怒りは憎しみへ、憎しみは…苦しみへと通じる。おぬしからは大いなる恐れを感じるぞ」
(ヨーダの言葉)
「過剰に怒りを利用することは、自らを傷つける行為でもある。激しい怒りは、本来きめ細やかな心の作用を麻痺させ、ちょっとしたことでも不満へと転換させる。怒りは怒りを呼び、ストレスとなって肉体を物理的に痛めつけるのだ。そうなっては、感覚はくもらされ、本来フォースから感じ取れるはずのさまざまな示唆を受け取ることは難しくなってしまうだろう」
「人は日ごろから、無意識に感情を利用している。怒りに限らず、自分の目的にかなうよう、さまざまな感情を出し入れしているのだよ。だから、怒りを握り締めることができるなら、手放すことだってできるはずなんだ」
世界
あなたと世界はひとつ。自らの強く意識したものに波及していく。
「きみと世界はひとつ。区別するものはない。肉体という固体と、それをとりまく空間、その間にも境界はない。イメージするんだ。目標とする植木に向けて感覚を拡張していけ。植木の幹のざらつき、葉のみずみずしさを自分の内に触れることができたか?植木の息づかいを、生命のエネルギーを自分の内に感じられただろうか。さあ、植木はもはやきみの一部となった。あとは引き寄せるだけだ。
このように、ジェダイは意識を集中させたものに触れ、影響を及ぼすことができる。集中させた対象が人であれば、その人の感情を読み取ることができる。純粋に『今』に集中すれば、未来が見える」
「この世界はすべてが一つにつながっている。ちょうど水の中で手を触れば離れたところの水草が揺れるように、(中略)人の行動、思考も、強く意識したものに波及していくものなんだ」
「『世界はすべてが一つにつながっている』ということはきみだってその中に含まれるということだ。きみもジェダイも同じエネルギーからできている。変わらずフォースの化身なんだよ」
現在(今)
未来は揺れ動いている。現在、そして現在にしか存在しない「力」に集中することが大切
「ヨーダいわく、未来は現在がどうあるかによって絶えず揺れ動いているため、ビジョンの内容は必ずしも実現するとは限らなかった」
「もともと時間と空間が存在しないフォースの世界を真に理解するには、過去にも未来にも縛られず、現在にしか存在しないリビング・フォース(生きとし生けるものすべてが発するエネルギー)へのアクセスが不可欠だった。
そのため、クワイ=ガンは弟子のオビ=ワン・ケノービに、未来への不安に心を悩ませるよりも、今、この瞬間に集中する大切さをつねに説いていた」
我々
われわれは輝ける存在。自分を輝ける存在だと思うことだ
「われわれは輝ける存在だ。肉体は粗末な物質などではない」
書籍内容
本当の自分とは?主体的に生きるには?
大切なことはすべて『スター・ウォーズ』が教えてくれる――
あなたは自分の望みどおりの人生を歩んでいるでしょうか?
何かを我慢し、だれかの期待を満たすために、やりたくもないことをやりつづけていないでしょうか?
「自分にはもっとやるべきことがある」そんな思いを抱えたまま、漫然と日々を過ごしていませんか?
『スター・ウォーズ』は、まさにそんな日々を送っていたルーク・スカイウォーカーの物語として始まります。自分の人生に目的ややりがいを感じられなかったルークがいかにして銀河の英雄になったか。
反対に、大きな夢と希望を抱いていた父のアナキン・スカイウォーカーがいかにして道を踏み外し、悪へと染まっていったのか。
本書では2人の人生を読み解きながら、人はいかにして本当の自分を保ち、己の歩むべき道、つまり運命を見つけていくことができるのかを説いていきます。
そのキーワードは“手放す”こと。
あなたが知らず知らずのうちに握りしめてきた固定観念、一般常識、さまざまな感情を手放すことで人生を主体的に生きる方法を、銀河の光と闇、栄枯盛衰を見てきた知恵深いジェダイ・マスターが伝授します。
世界で初めてジェダイの教えが体系的にまとめられた、ルーカスフィルムの公式本!
恐れず、自分らしく生きたいと願うすべてのフォース・ユーザーためのバイブルです!
著者情報
銀河共和国の後期から銀河帝国の崩壊までを生き抜いた詳細不明のジェダイ。青年期まではジェダイ・テンプルで修行し、ナイトの称号を取得。オーダー66によるジェダイの粛清には遭わなかったが、一切の争いごとからは身を引き、フォースについての探求を続けながら、客観的な視点で銀河の中心でくり広げられる出来事を見守った。ヨーダやルークらとの直接的な関わりは不明だが、彼がまとめたレジェンドたちの考察は、ジェダイ思想研究の貴重な資料として現在もホロクロンに保存されている。