「ない仕事」の作り方 書評/まとめ

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「ない仕事」の作り方

みうらじゅんの『「ない仕事」の作り方』。

インパクトあるタイトルだったので、2015年11月発売当時、出た瞬間に購入したのがこの本。

確か日本橋の丸善の2階にあって、カゴの中に大量に置かれていて、このタイトルと冒頭の内容をざっと読んで、「これは読もう!」と買ったことを覚えている。

世の中に全くないモノをどのように仕事にし、作っていくのか。
これについては興味がある人も少なくないと思う。
では、この本のポイントについて紹介していきたい。

印象に残ったポイント

ないモノを見つける

ないジャンル、ない区分に目をつけ、新たな名前をつけ、世に届ける。

「私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです」

ない仕事は普通ではダメ。

「『ない仕事』を世に送り出すには『普通』では成立しません」

ゆるキャラ」もそもそもないモノだった。

「ここ数年ブームが続いている『ゆるキャラ』も、私が名づけてカテゴリー分けをするまでは、そもそも『ない』ものでした」

「『ゆるキャラ』の存在が気になりだしたのは、20年ほど前、全国各地の物産展に赴いたときです。その土地の名産品が並び、多くの客がひしめく中、それはとても所在なさげに立っていました。妙な『着ぐるみ』です。当時は『マスコット』という呼び方が一般的でした」

「そんなマスコットを普通の人は、まず気にすることはないでしょう。
もし気になったとしても、『物産展に何か変なものがいたな』くらいで、帰宅後にはもう忘れてしまうと思います。

なぜかといえば、それは名称もジャンルもないものだったからです。
『地方の物産展で見かける、おそらく地方自治体が自前で作ったであろう、その土地の名産品を模した、着ぐるみのマスコットキャラクター』という、長い長い説明が必要なものだからです。説明しているうちに、面倒臭くなってしまいます。

私の『ない仕事』の出発点はここにあります。
まず、名称もジャンルもないものを見つける。そしてそれが気になったら、そこに名称とジャンルを与えるのです。

前述の長い説明を、たった一言で表現するために私が考えたのが、『ゆるキャラ』でした。

『ゆるい』『キャラクター』の略です。これは本来矛盾した言葉で、キャラクターはゆるくては困ります。わざとゆるいキャラクターを作ろうと思う人や団体などはいません。しかし『ちゃんとした』キャラクターを作ろうとした結果、なんとも微妙な、なんとも中途半端な、なんともいびつなものができあがってしまったわけです」

自分から持ち込む(ないのだから、売り込みが必要)

「私のやっていることは、ほとんどが『ない仕事』なので、先方から依頼がくることはほぼありません。なのでいつも私は、『こんな企画があるんですが、どうでしょう?』と雑誌やテレビ局に持ち込んでいるのです」

最初は怒られることもあるけど、最終的には喜ばれる

「あらかじめひとつお断りしておくと、すべての『ない仕事』に共通しているのは、最初は怪訝に思われたり、当事者に嫌がられたり、怒られたりすることもあるということです。私だって大人になって怒られたくはないですし、むしろいっぱい褒められたいと思っているにもかかわらずです。しかし『それでも自分は好きなんだ』という熱意を失わなければ、最終的には相手にも、お客さんにも喜んでもらえるものになります」

自分を消す

自分と同じ人はいらない

「私は一応、『みうらじゅん事務所』の代表取締役社長でもあります。とは言っても所属作家は私だけの個人事務所なので、スタッフは募集していないのですが、それでもたまに『雇ってほしい』と履歴書が送られてくることがあります。

その志望動機に書いてあることで、いちばん困ってしまうのが、『私もみうらさんみたいな仕事がしたい』です。私は一人で充分。二人いるとうるさいくらいです。私にしてみれば、もし雇うとしたら自分が不得意なことをしてもらいたいだけです」

他人と同じことをしてもつまらない

「人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていてはダメだということです。なぜかというと、つまらないからです。みんなと同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。それよりもひとがやっていないことを見つけて、達成するほうが楽しいじゃありませんか」

自己主張してしまうと、世の中から必要がないと思われる

「これも、私が若い頃に間違っていたから気づいたことです。私の『したい仕事』は世の中にあると思い込んでいました。しかし、どうやら、ない。だったら自分で作るしかない。しかしそこで自己主張をしてしまうと、世の中からすぐに『必要がない』『欲しくない』と気づかれてしまう」

主語を変えてプレゼンする。

「そこで自分を消し、あたかも『なかったもの』が流行っているかのように、主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は『流行っているのかな?』と、ようやく目を向けてくれるようになる」

自分探しに意味はない。

「『自分探し』をしても、何にもならないのです。そんなことをしているひまがあるのなら、徐々に自分のボンノウを消していき、『自分なくし』をするほうが大切です。自分をなくして初めて、何かが見つかるのです」

不自然体でいる。

「仕事をしているうえで、いちばん心がけていることといえば、無理してでも『不自然体』でいること」

圧倒的な量→好きになる

「好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まってきたから好きになる」

マイナスのものもプラスになる

「マイナスのものを、名前をつけておもしろがってみると、自分の気持ちすらプラスになる」

書籍内容

デビューして今年で35年、「仏像ブーム」を牽引してきた第一人者であり、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅん。とはいえ、「テレビや雑誌で、そのサングラス&長髪姿を見かけるけれど、何が本業なのかわからない」「どうやって食っているんだろう?」と不思議に思っている人も多いのでは?

本書では、それまで世の中に「なかった仕事」を、企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作ってきた「みうらじゅんの仕事術」を、アイデアの閃き方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、過去の作品を例にあげながら丁寧に解説していきます。

「好きなことを仕事にしたい」、「会社という組織の中にいながらも、新しい何かを作り出したい」と願っている人たちに贈る、これまでに「ない」ビジネス書(?)です。

著者説明

みうらじゅん
1958年京都市生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。以来、漫画家、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍。


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「17年の経験。それだけでも気になるけど、独立して悩んでしまうようなことを解決してくれる内容に気持ちがあがります。現場で使いたくなるのは必至です。メール講座は毎日届くものではないのですが、内容の格が違うし、並のメールマガジンでは太刀打ちできません」

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運営責任者:橋本哲児

売れるマーケティングの専門家 主にダイレクトマーケティング、WEBマーケティングの世界で17年間活躍。 東京都港区在住、兵庫県西宮市出身。 1999年、大手保険グループの生命保険事業のダイレクトマーケティングに取り組む。当初は成果がでない苦悩の日々が続く。 しかし、いくつかの独自の方法を開発することで成果が出始め、そこから全てが変わり、ネットマーケティングでは「国内トップクラスの担当者」などと評価されるようになる(ダイレクトマーケティング部課長兼インターネットビジネス総責任者に従事)。 2008年に独立。大手上場企業や起業家(中小企業)などの顧問を歴任。 現在はリサーチや分析、商品開発、セールスコピー(ライティング)、ブランディングなどを通じて、効果的なマーケティング展開をコンサルティングする。ライフワークとしてスティーブ・ジョブズなど偉大な業績をあげた人物の研究を続けている。著書に『逆境を乗り越える ジョブズ 魂の言葉 』『顧客の「本音」がわかる9つの質問』『世界を変える「自分」になる19の法則』がある。

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