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ゼロから1は本当に厳しいのか
ゼロから1
資金がないような状況。
しかも、ゼロからビジネスを創っていくようなBootstrapping(ブートストラッピング)は成功する企業が10社に1社しかないとも言われる厳しい世界だと言われています。
「ゼロから1は大変」
そういう風に言われているけど。確かにこれは事実で。
実際、独立起業でビジネスをスタートさせた多くの人はそこで苦労します。
ビジネスを立ち上げて、プロモーション(販促)などを仕掛けたとしても、実際はなかなか売上を手にすることができなかったりもする。
WEBでの展開が低コストで良いと考え、サイトを立ち上げ、SNSなどを用いて展開するけど、全くといっていいほど、自分たちが想定していたようには商品やサービスを購入してもらえない。
実は、ここでかなり大きな勘違いをしている人もいるので、今回はこの「ゼロから1」の段階についての問題点と解決策について話していきます。
ブルーオーシャンならうまくいくのか
ただ、その前になぜ「ゼロから1」が厳しいのか。これについて押さえてください。
人によっては……
「競争の激しいところだと厳しいから、競合のいない『ブルーオーシャン』なら、うまくいくのでは……」
と考えるかもしれませんが、実はそう甘くないです。
(ブルーオーシャン:競争相手のいない未開拓の市場ということ。
フランスの大学院INSEADの教授W・チャン・キムとレネ・モボルニュの「ブルー・オーシャン戦略」という共著の中で2005年に提唱したビジネス用語)
この答えについては、ブートストラッピングの成功例である企業の一つ、KinstaのZsomborgi氏が次のように語っています。
「競争相手がいないブルーオーシャンは、そもそもサービスの需要がなく収益性が見込めない可能性がある」
「たいていの人は、過当競争が繰り広げられているレッドオーシャンで起業することになります」
ブルーオーシャンはそもそもサービスの需要がない可能性が高く、そのため、たいていはレッドオーシャン(競争の激しい市場)で起業することになるというわけです。
(Kinstaは2013年に4人で創業し、ベンチャーキャピタルからの資金提供なく、創業4年で収益が数億円になった企業です)
レッドオーシャンはどうか
ところがレッドオーシャンで起業したとしても競争は激しい。
Zsomborgi氏はこれについて次のように語っています。
「長年の競争に勝ち抜いて優位性を発揮し続け確立された巨大な企業がひしめくレッドオーシャンにおいて、大企業は資金、確固たる顧客基盤、確立されたソーシャルメディア、莫大なマーケティング予算を持っています」
大企業でなくとも、先行している企業が顧客をおさえ、SNSをおさえ、自分たち以上に展開しているわけです。
顧客の信頼が得られない
ゼロから1の段階で何よりも問題なのが「顧客の信頼が得られないこと」。
素晴らしい商品やサービスがあったとしても、普通にやっていたら、顧客の信頼が得られないわけです。
ゼロから1の段階は企業に対しても信頼も得られていないし、その商品やサービスに対しても信頼を得られていない、ダブルで信頼が得られていない状況だから、実は余計にきつい。
Zsomborgi氏もまさにこう語っています。
「たとえ素晴らしいサービスを提供していたとしても、信頼を得ていない新興企業にお金を使う人は多くはありません」
最初は確かにきつい。
というわけで、問題ばかりをあげてきましたが。最初は思い通りにならないです。
ただ、ここで問題ばかりあげてきたのはやる気をなくさせるためではなく。むしろ逆です。
僕がここでまず伝えたいのは……
最初が一番きつくて、徐々に楽になっていくってことです。
最初の1人は確かに大変だし。その次の10人くらいも少しは楽になるけど、まだ大変。ですが、増えていくに従って、徐々に楽になっていきます。
そこをとにかく突破することです。
営業力などが高い人の場合、ここがスーッとうまくいってしまう人もいるのですが、通常は誰でもきついし、そこを乗り切れば、楽(ラク)になるので、乗り切ってほしいわけです。
ただ、この「ゼロから1の段階」を乗り切れない人が陥りがちな問題の原因の1つが次のことなんです。
ゼロから1にするための注意点
ただ、「ゼロから1の段階」を突破するように取り組んでいるのに、なかなかうまくいかない。1にならない、という状況の時は少し疑ってほしいことがあります。
これは本当に重要な注意点です。
それは何かというと…
「ゼロを1にする」ことと「1を2にする」ことを勘違いしている場合がある。
あなたのケースでいうと…
具体的に説明すると、
あなたがまさに起業していて、ゼロを1にするように取り組んでいるとします。でも、ずっとやっているのになかなか1にならない。
そんな時は「ゼロを1にする」ことが難しいと(あなたは)考えているのだけれど、実際には「1を2にする」ことができていないということがあるということです。
ゼロから1にするように様々なことに取り組んでいれば、その中でうまくいっているケースもある。
もちろん、ビジネスを始めたばかりのゼロの段階なのでとても小さい成功なのだけど、それに気づかない。ゼロから1にはなっているのに気づいていないということです。
気づいていないので、それを2にすることができない。
つまり、1に気づかず(発見せず)、1を2にすることができていないことが問題だということです。
それなのに、ゼロを1にすることができてないと考え、すぐに次のビジネス、次のビジネスと試してしまう。
せっかくゼロが1になったものは無視されて、また0になり、ゼロが続いていく。1になったものもあるにもかかわらず、です。
1に気づかない理由
「1になったものがあれば、気づくでしょ」
あなたはそう思うかもしれないですが、1に気づかない理由はシンプルです。どうしても目標が大きかったりして、大きくて輝かしい成功ばかりに目が眩んでしまい、小さな変化が目に入らないからです。
でも、実際には規模の大きい大手のビジネスであっても。
オンラインでのビジネスでいえば、0.1%という反応率を0.11%と少しずつ改善していく世界です。
ましてや、ゼロから1の段階であれば、とても小さな兆しだし。それを見ていく必要があるわけです。
小さな兆し(1)を2にしていく
ゼロから1の段階で様々なことを試していけば、小さな兆しがどこかで出てきます。
輝かしい成功ばかりに目を向けるのではなく、そうしたものに目を向け、小さな兆し(1)を発見することです。
発見したら、それを活かし、大きくしていくことができます。1を2にしていくわけです。
まとめ
- 「ゼロを1にする」ことと「1を2にする」ことを勘違いしている場合がある。
- 1を2にする段階が問題であることが少なくない。
- 小さな兆し(1)を発見し、それを確実に2にしていくこと。
あなたへの質問
- あなたのビジネスでは1を2にすることに問題はないだろうか。
- 小さな兆し(1)を発見しているだろうか。
- 小さな兆し(1)を確実に2にしているだろうか。
参考:16 Lessons Learned Bootstrapping Kinsta from 0 to 7-Figure in Revenue