顧客に好かれていますか、嫌われていますか
あなたは顧客に好かれていますか。
それとも嫌われていますか。
「顧客に嫌わてもいいんです」などと書かれている記事などをネット上で幾度か目にしたことがありますが。実はそれは危険です。
僕は仕事柄、顧客調査をする機会が多いのですが。その範囲でいえば、確かに(商品やサービスを販売する時)顧客に好かれることは「絶対条件」ではありません。
好かれていなくても、顧客は欲しければ買います。
あなたがどこかで何かを買う時のことを考えてほしいのですが、すべての買い物、すべてのお店でそのお店の店員さんのことを好きだったりはしませんよね。
その意味で絶対条件ではないわけです(もちろん、好かれている方が買う、というのはありますが)。
ただ、問題は「嫌われること」です。
「嫌いだったら、買わないでしょ」という人は実に多いです。
あなたが何らかの商品やサービスを提供していて、顧客があなたのことを嫌いだとしたら、かなりの確率で買わなくなる。
その意味で、好き嫌いというのは「嫌われてもいいんです」などと簡単に片付けられる問題ではなく、商品をどう訴求していくのか、などという問題以前に重要なことなわけです。
だから、もし今、あなたのビジネスがうまくいっていないのであれば、もしくはあなたが売れない営業マンであれば、実は「嫌われている」ことが原因かもしれない。
それは致命傷なので、そこから改善が必要なわけです。
では、どうすれば、少しでも好意をもってもらえるのか。
今回はその1つの方法をお話します。
「単純接触効果」
というものです。
これについては基本的なことを知っている人はいると思いますが、具体的にどういうもので、どこが注意点なのか。それを話していきます。
単純接触効果(ザイアンスの効果)
1968年におこなわれた興味深い実験で、あることが明らかになりました。
心理学者ロバート・ザイアンスが明らかにした
「単純接触効果」
というものです。
実験
実験を具体的に説明すると、米国人の被験者を集め、彼らが意味もわからない「漢字」を幾度か見せるというものです。
すると、1回見せた時より、幾度も見せた時の方が好感が高まった、という結果が明らかになりました。
先ほど話したように被験者は「漢字」の意味を知らなかった。
つまり、意味を知らないものであっても、好きでも嫌いでも何でもない対象でも、見ているうちに好感を抱いてしまうことがわかったわけです。
つまり、「接触回数」がポイントだったわけです。
これがザイアンスの効果と呼ばれ。
「何回も見ているうちに、好きになる」
という意味で使われるようになったわけです。
ただ、ここで重要なのは「意味を知らないもの」でもいいし、「好きでも嫌いでもないもの」でもいいということ。
ただただ、何回も見てもらえれば、好きになってもらえるということです。強烈ですよね。
大手ブランドが大量に広告を展開し、商品や企業、ロゴなどを繰り返して露出しています。
auやソフトバンクのCMなんて、幾度目にしたか、わからないくらい見ていると思います。
あれも商品やサービスの販売はもちろん、企業やブランドを覚えてもらう、という本来の意味合いに加えて、ザイアンスの効果を用いて、好感度を増しているわけです。
auもソフトバンクも好感度の高いタレントを用いているので、余計に好感度を高められるわけです。
好感度を高めるために何をすればいいのか。
では、あなたの企業が大手企業でないとしたら、どうすればいいのでしょうか。
あなたやあなたの企業、商品やサービスの好感度を高めるために、何をすればいいのでしょうか。
簡単です。
接触回数を高めていく
商品やサービス、企業などについて、ブログやSNS、メールマガジン、広告などを使い、やれる範囲で好感度を高めていく。
人も同じ
これは人でも同じで、顧客は同じ人に会い続けると、その人に対する好感度が高まっていきます。
なので、あなたが営業マンなら、顧客と会うこと。接触回数を高めれば高まるほど、好感度が高まっていきます。
会社員時代
僕は会社員時代、ある企業のマーケティング部の実質的な責任者で、多くの営業マンに会ってきましたが、これは顧客の視点で見ても間違いない。
会う回数が多い営業マンのことはやはり好感度が高かったし、実際に発注もしていました。それくらい、強烈なものです。
単純接触効果の注意点
ただし、単純接触効果(ザイアンスの効果)にも注意点があります。
実験では「単純接触効果」が最大に到達したのは被験者に見せる数が10回から20回までのあいだでした。
そのため、あまりにも接触回数が高くなりすぎると、逆効果になるともいわれています。
短期間に何度も接触しすぎて、露出過多にならないよう(飽きさせてしまわないよう)に注意が必要です。
プロダクト・プレイスメント
露出過多のことを考えると。広告が露出過多になり、嫌がられるのを避けるプロダクト・プレイスメントは自然な方法の1つです。
プロダクト・プレイスメントというのは、映画やドラマなどで商品などが小道具として使われることがありますが、あれのことです。
たとえば、海外ドラマ『フリンジ』では日産リーフが使われました。
さりげなくて宣伝には見えないし、情報を受ける側の反感も買いづらい。
しかも、機能なども魅力的に伝えています。
また、好感度が高い女優などに使ってもらえれば、さらにその好感度が高まってもいきます。
露出過多に注意しつつ、最大限、接触回数を高めることです。
まとめ
- 顧客があなたを嫌いだとしたら、かなりの確率で買わなくなってしまう。
- 好感度を高めることは商品の訴求など以前に重要なこと。
- 好感度を高めたいものは少しでも接触回数を高めていく。
- 露出過多には注意すること。
あなたへの質問
- あなたは顧客に嫌われてはいないだろうか。
- 好感度を高めるため、接触回数を高めるようにしているだろうか。
- 露出過多に気をつけているだろうか。