強力なライバル商品に勝つ
「ライバル商品に勝たないと……」
そう考え、ライバル商品の「強み」に勝つ。勝つぞ。そう思って、勝負を仕掛けるわけです。でも、ライバル商品が圧倒的な場合、その結果は悲惨。なかなか、うまくいかない。
先行者が圧倒的に有利
でも、ライバル商品が強力な場合、先行者が圧倒的に有利になってしまう。特に彼らが1番手であれば、なおさらです。
僕はある市場で1番手の企業と2番手の企業の相談に乗ったことがあったのですが、「1番と2番ではこんなにも違うのか……」と感じてしまうほど、全く違います。圧倒的に1番手が有利なわけです(それについては、次の記事でも書いているのでぜひ読んでみてください)。
https://selpro.info/marketing/first/
しかも、先行者(たとえば1番手)はその「強み」を実践で使いまくり、その認知が高まっていくわけです。その強みは膨大な顧客を集め、売上や利益を上げていくわけです。先行者はますます先行していき、後発では容易に勝負できなくなってしまうわけです。
現在の顧客は厳しい
景気が低迷し、消費者は「買う」ことに厳しくなり、「買う」ことで失敗したくないわけです。
しかも、SNSが普及している。良いモノは一気に拡散し、悪いモノも一気に拡散する。良いモノと悪いモノの差がつきやすい。この流れは今後も加速します。
一層、先行する「成功企業」、特に1番手に顧客が集まりやすくなっていきます。特にネットは比較の世界。あなたがネットで展開するのであれば、その傾向は高まります。
まったく同一の製品であれば、1位の製品です。「10位くらいがいい」なんて人はまずいません。
1位と同じことを狙うと……。
だから、あの1位の企業が儲けているのだから、と同じような商品を出しても玉砕してしまうなど、うまくはいかないわけです。
強力なライバル商品に勝つ方法
そんな時は彼らライバル商品の「強み」に勝とうとするのではなく、「弱み」について、考えてほしい。
いかに優れた商品やサービスであっても、確実に「弱み」はある。
僕が関わった事例でも、ライバル商品の「弱み」を狙い、開発した商品で年商10億規模になったケースもあります。競合が対応しづらい「弱み」を見出し、それを解決できる商品を創り、販売していったわけです。
ここでとても大切なことを言います。
世の中が「強みが大切」という風に言われているせいもあって、「弱み」については企業が「強み」ほどは注目していないし、改善してはいません(全く改善しないわけではないですが、強みと比べると明らかに手薄です)。
彼らライバル社が気を抜いている「弱み」に対して、あなたビジネスの「強み」なども活用し、全力で攻めるわけです。
- ライバル社の「弱み」←自社のビジネスの「強み」などを用いる
不安や不満は確実にある
事例として、代表的な事例はいくつもあるけど、少し事例を考えてみると……
たとえば、競売大手の米国のイーベイ。
日本人ユーザーから見ると、彼らイーベイの弱みは「英語」です。
特に10年ほど以前は日本からの出品の時に「英語」を使わなければならないことが、彼らの大きな「弱み」だったわけです。
日本人ユーザー(出品者)は「英語」ができないことが大きな壁だったので。大きな問題であったわけです。
このようなものが「弱み」です。そこで、「弱み」を解決する商品やサービスがあれば、顧客をひきつけることが可能なわけです。
でも、実際にはイーベイ自身が2009年に入った頃、割安で英訳支援サービスを展開しました。それは商品説明などを日本語で書き込めば、英訳をする、というサービスです(一般的な翻訳料の半額ほどで)。
これはイーベイ自身が、自分たちの「弱み」を解決したケースなので、例としては適切ではないですが、いかに優れた商品やサービスでも、どこかに顧客の不安はあるということはわかると思います。
どれだけ優れている商品でも、必ずどこかに顧客が感じる「不安」や「不満」があります。それこそが「弱み」です。
競合が解消しづらい「弱み」。それを解消する商品を提供するということです。競合が解消しづらいものであればあるほど、強力なものになります。
強力なライバル商品に勝つ2つの質問
最後に強力なライバル商品に勝つための2つの質問をご紹介します。
質問:強力なライバル商品に対して、顧客が感じる「不安」「不満」は何でしょうか?
質問:それら「弱み(不安、不満)」を解決できる商品を自社の「強み」などを用いて、創ることはできますか?