『図で考える。シンプルになる。』
最近、顧問先企業から、社員の研修の依頼をされることがあります。
マーケティングのプロとして仕事をさせていただいているので、基本はマーケティングで。マーケティング全般を基礎から実践までお話する。
でも以前は企業のマーケティング部の管理職で。決裁権者をしていたので。
BtoB顧客がどのような視点、思考をもつのか、という「クライアント(主にBtoBの顧客)」についての研修。そこから派生した(顧客から見て)営業はどうすべきなのかという「営業」研修などのご依頼も多い。
それらの基礎となるのが「ロジカル・シンキング」の論理思考研修で、これも様々なところで対応させていただいています。
研修の講師ではないので、研修講師として活躍されている方と比べれば、その頻度は高くはないけど、今はこれらの仕事が増えている。
ロジカル・シンキング研修をやっていて感じるのは、表面的な方法は本などで知っているようなのだけど、実際に作っている企画書や提案書を見せてもらうと、顧客が発注するレベルにないことが少なくない。
何か良い本はないかな、と考えていた時に最近見つけた1冊がこの本。
『図で考える。シンプルになる。』
正直、ロジック・ツリーやピラミッドストラクチャーなどロジカル・シンキングの基本を確実に把握している人には必要ないと思う。でもそれらが苦手だという人には非常に良い。
より、7つの図解に絞られているので、これが使いこなせるだけでも思考が図解でき、ロジックがしっかりとしてくる。
Amazonのレビューなどにはこうある。
「きっと普段真剣に自己研鑽のトレーニングをしていない人は言うだろう『こんな簡単なことを並べても何の役にも立たない』と。その簡単=シンプルを、全て着実にやることこそが難しく、それこそが意味のあることなのだと考える……」
何の役にも立たない、は言いすぎだと思う。
でも確かに既に深く知っている人には、大きな発見はないかもしれない。それでも実際の現場できちんと使いこなすにはかなり意味がある本です。
図で考える。シンプルになる 印象に残ったポイント
思考パートと伝達パートで考える
自分の思考のためだけに図を使うなら、思考パートだけで十分。
<思考パート>
1.題材の決定
自分のこと、会社のこと、これからの将来のことなど、図で考える題材を決める。
2.切り口の決定
題材が決まったら、「深掘りしたいのか」「比べたいのか」など、思考の切り口(使う図)を決める。
3.対象の理解
切り口が決まったら、情報を消化する。ここまでが思考パート。
<伝達パート>
4.見せ方の調整
できあがった図に対し、サイズや形、色などに調整を加える。よりわかりやすい図に磨き上げる。
5.語り方の調整
それぞれの図に適した語り方で、自分が理解した内容を相手に伝えていく。
7つの図を使いこなす
交換の図
思考の切り口:関係
誰と誰が何を交換する関係なのかがわかる
利用シーン:ビジネスモデルを見える化したいとき/フェアな関係かを確認したいとき
コツ:矢印は双方向にする
ツリーの図
思考の切り口:構造
物事がどんな構造で成り立っているのかがわかる
利用シーン:情報が複雑にこんがらがっているとき/モノや情報を綺麗に整理整頓したいとき
コツ:必ずどれかにひもづける
深掘りの図
思考の切り口:要因
なぜ今の状況が起きているかがわかる
利用シーン:課題の要因を分析したいとき/状況に対する打ち手をかんがえたいとき
コツ:次の段に進むときは必ず複数にする
比較の図
思考の切り口:立ち位置
商品・サービスがどんな立ち位置にいるかがわかる
利用シーン:ライバルと差別化したいとき/購入対象を比較・検討したいとき
コツ:一番重視する切り口は、タテ軸にする
段取りの図
思考の切り口:手順
計画をどんな手順で実行すればいいかがわかる
利用シーン:実現までの段取りを明確にしたいとき/手順のどこに問題がありそうかを考えたいとき
コツ:メインの流れは一方向にする
重なりの図
思考の切り口:コンセプト
商品・サービスにどんな特徴があるかがわかる
利用シーン:モノゴトのコンセプトを伝えたいとき/競合商品やサービスの強さを考えたいとき
コツ:円は2個か3個にする
ピラミッドの図
思考の切り口:方針
目指す方向とそこに行くまでの道筋がわかる
利用シーン:会社のビジョンや戦略・戦術を考えたいとき/目標への到達手段を考えたいとき
コツ:上から下、下から上の両方で一貫性を持たせる
図で考える。シンプルになる 書籍内容
大反響! 発売4日で重版決定!
図で考えると、無駄な情報がそぎ落とされ、要点が浮かび上がってきます。
「何に集中し、何を捨てるべきか」
これが一瞬でわかるのです。
本書は、プレゼン、会議、打ち合わせに効果抜群の「7つの図」の使い方を解説するものです。
アイデアが離陸し、思考が大空を駆け抜ける!
著者は、インフォグラフィックエディターの櫻田氏。
ニューズピックスのクリエイティブ統括者です。
その一方で、ドラッカーの『マネジメント』から『TED』のプレゼンまで、どんなものでも「図」にしてしまう図解オタク、という一面も持っています。
WIRED、ハフィントンポストといったメディアからのデザイン依頼に加え、コンサルティングファームや広告代理店で「図解思考」「デザイン×図解」などのテーマで研修をこなす本格派。
依頼先の会社では部署を横断し、同じ研修を複数回実施するなど、その満足度も極めて高い。
その秘伝の秘を、本書ではあますところなくお伝えします。
たった1枚の図に、あなたの考える力が表れます。
研修の冒頭では、頭の体操を兼ねて、あるお題を図にしてもらっています。
そのお題は「桃太郎のあらすじ」です。
「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に……」から始まるあの話。ページをめくる前に、どんな図が作れそうか、少し考えてみてください。
「はじめに」より
図で考える。シンプルになる 著者情報
櫻田/潤
ニューズピックスインフォグラフィックエディター。大学卒業後、プログラマーとしてキャリアをスタート。その後、システムエンジニア、ウェブデザイナー、マーケターを経て、現職。仕事に必要な知識を身につける過程で、「モノゴトを深く理解したい」という欲求を持つようになり、そこから本やテレビ番組の要約を「1枚の図」にまとめる習慣が生まれる。メディアからのデザイン依頼に加え、コンサルティングファームや広告代理店から、「デザイン×図解」「図解思考」といったテーマで研修、ワークショップの依頼が舞い込むようになり、そうした活動が高く評価され、2014年より、ニューズピックスに参画。2017年よりニューズピックスのクリエイティブを統括。日本におけるインフォグラフィックの第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)