北野武が映画づくりでこだわっている『奇数』
北野武が映画を創る時にこだわっているのが「奇数」だという。
テレビ東京の『たけしのよくできてるTV』、2017年10月1日放送でのことだった。そこで北野武はこう語った。
「それぞれのカットは奇数秒になっている。カットが偶数秒だと気持ち悪くなったりするんだ」
この言葉は事実なのか、と番組スタッフが北野武の作品『座頭市』の全カットの秒数を一つひとつ調べた。
すると、恐ろしいことにまさにそのとおりで。それぞれのカット(シーン)は1秒だったり、5秒だったり、7秒だったり、23秒だった。
しかも番組で紹介されたカットの合計も55秒と奇数。まさに「それぞれのカットは奇数秒になっている」という北野武の言葉どおりだった。
日本人の歴史に根づく奇数
ただ、気になったのは「日本人の歴史、生活」についてのことだった。そこに奇数が根づいているというのだ。
確かに、日本人が美しいと感じるモノ、素晴らしいモノには奇数が数多く存在する。
・俳句の五七五 ・七五三 ・三三九度 ・三三七拍子 ・七夕 ・一本締め ・七福神 ・七草粥 ・1月1日(正月) ・五節句 ・ご祝儀の額
こうして見てみると、美しいこと、めでたいことなどにはたしかに奇数が数多く存在する。日本人の歴史や習慣の中に奇数を好む性質が存在するのは確かだろう。
北野武の奇数に対する考え
奇数について、北野武はこう語っていた。
「五七五というのは全部足すと17なんですよ。で、5は素数なんですよ。1と5でしか割れない数字。素数というのは他のものでは割れないから、その5つの文字で完成形なんですよ。7も完成形なんですよ。 (俳句などの)日本の言葉の素晴らしい言葉は素数の中に入って、他の言葉では変えられないという凄い法則があるんですよ」
過去の経験でも同様
僕自身も様々な企業の商品開発の仕事に携わる際、商品にプランを用意する時はやはり奇数のプラン数が「オススメ」だと伝えている。
1プラン、3プランなどの奇数。 5プランなどもあるけど、5つは少し多すぎてしまう感じがする。もちろん、その商品やサービスによっても違うのだけど。
書籍タイトル
僕自身の書籍のタイトルも奇数が多い。
これは自分の考えをバラしているようで、イヤな感じもするのだけど。次のような感じ。増刷したり、それなりに売れたのは奇数の効果もあるとは思う(ホント、宣伝みたいだけど 笑)。
『顧客の「本音」がわかる9つの質問』
『世界を変える「自分」になる19の法則』
など、圧倒的に奇数で。
これが「顧客の「本音」がわかる10の質問」や「世界を変える「自分」になる20の法則」などだとやはり、どこか気持ち悪い。
日本人の歴史上、古来から奇数が美しいと感じる感性があるというのは事実だろう。
あなたのビジネスの商品プラン、提案書でプランを提示する時などに奇数を用いることを意識してみるのも良いと思う(もちろん、どうしても偶数になってしまうことはやむを得ないだろうけど)。
特に1プラン、3プランは過去の実績を見ていても、優れている。