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スティーブ・ジョブズの名言
ジョブズの名言の1つに、僕らに新たな発見をさせてくれる言葉がある。それが次のもの。
「コインには裏側がある、物事には別の見方があると分かる」
スティーブ・ジョブズ
解説
ジョブズはリード大学中退後、あいかわらず学費も払わず好きなクラスだけ受講し、大学の片隅でボヘミアンな生活を送る。
雪が降るとサンダルを履いたけど、基本は裸足。炭酸飲料の空きビンを拾って小銭を手に入れ、日曜日にはクリシュナ寺院で晩ご飯を食べる。
アパートを月20ドルで借り、暖房が入れられないのでダウンジャケットを着て寒さをしのぐ。そんな生活の中で、ジョブズは悟りを求め、自分の心がおもむくままに歩んでいた。
で、ここからの話だけど、あなたは嫌悪感を示すかもしれない。なので、「この話はやめておこう」とも思った。でも、ジョブズを語る上で外せないことなので書きたいと思う。
ジョブズの意識を高めた2つのもの
当時、ジョブズの意識を高めたものが2つある。
1つが禅。そして、もう1つがLSD(ドラッグ)だった。
「僕はすばらしい時代に大人への階段をのぼったと思う。禅によって、また、LSDによって意識が高められたからね」
ジョブズは歳をとってからもこう言っている。
「LSDはすごい体験だった。人生でトップクラスというほど重要な体験だった。LSDを使うとコインには裏側がある、物事には別の見方があると分かる。効果が切れたとき、覚えてはいないんだけど、でもわかるんだ。おかげで、僕にとって重要なことが確認できた。金儲けだけではなくすごいものを作ること、自分にできるかぎり、いろいろなものを歴史という流れに戻すこと、人の意識という流れに戻すこと、そうわかったのはLSDのおかげだ」
誤解しないでほしいのだけど、LSDをすすめているわけじゃない。でも、ジョブズの悟りにつながる大きな出来事がこのLSDだった。
ジョブズが悟ったコト
彼が悟ったのは「コインの裏側」。多くの人が考えていることの裏側だった。ここはわかりづらいので、彼の多くの言葉から、僕なりに解釈した説明をしたい。
彼が悟ったこと。それは多くの人が自分の強みや本質(自分の武器)を生かさず、そのために凄いものを生み出すことができず、お金のために(自分を曲げて)働いているということ。
そうじゃなく、自分の強みや本質(自分の武器)を最大限生かし、それにより凄いものを生み出す。その凄いもので歴史に貢献していく。
今、ジョブズ本人と話したら、「違うよ」と言われるかもしれないけど、そう理解している。
コインの裏側とは何か
重要なのは「コインの裏側」
これは非常に重要なことで。これだけで1日中話せる内容なので、この限られたスペースで書いても伝わりづらいかもしれないけど。
成功する人は常に少数なのだ。その少数を多数が支えるからこそ、彼らの成功は成り立っている。
たとえば、あなたの好きな成功しているアーティストを思い浮かべてほしい。1人の場合もあるし、グループの場合もあるけど、彼らは少数だ。その少数を多数のファンが支えている。
アーティストだけじゃない。少数の富裕層は多数の人々によって支えられている。(多数の人が彼らがやっているビジネスの従業員の場合もあるし、顧客の場合もある。いずれにせよ。多数が時間や労力やお金を提供している)
大成功すればするほど、その成功している人は少数になり、支える人は多数になる。この逆はない。多数を少数が支えることはできないのだ。だから、多数でいたいなら、多数の人と同じ考えと行動をとればいい。でも、成功したい人はそれではいけない。
もちろん、売上の源泉は顧客だ。多数派の顧客ことを理解しなきゃいけない。でも、彼らと全く同じ考えや行動ではなく、少数の別の考えや行動をとらなければならない。それが希少性を生み、それが差別化を生む。
ジョブズが悟ったことはこれに近いと思っている。コインの表。それは多数派が正しいと思っていること。お金のために働くこと。自分の強み(本質)を生かさないこと。すごいものを生み出すなどという夢は見ないこと。多くの人がどこかで聞いたことがあるはずだ。
でも、裏側は違う。自分の強みを最大限生かせば、凄いものを生み出す機会が生まれる。凄いものを生み出せば、それを僕たちの歴史に残すこともできる。そう考えたのだと思う。
ジョブズはこの悟りによって、少数派の道を歩むことになる。まさに歴史に凄いものを刻み込むように。
「多数」派は正しいと思われるけど、実は成功する上では「少数」派が正しい。だからこそ、世の中で言われていることの裏側を見ることだ。
周囲から、「そんなのは無理だ」と言われたとしても、自分の本質的な強みを疑うことはない。それは武器にしていけばいい。世の中でもっともらしく言われていることは常に疑ってみることだ。その裏側に大きなチャンスがあることもある。ビジネスをするのであれば、多くの人が見るコインの表ではなく、裏側を見ることだ。
あなたへの質問
- あなたが見ているもの、考えていることはコインの表だろうか?それとも、裏だろうか?
参考:Steve Jobs The Exclusive Biography