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顧客満足度を高めたい人に
起業や独立はもちろん、ビジネスを展開していると、顧客の満足度を高めたいですよね。でも、満足度がなかなか上がらない!いや、満足度の上げ方がわからない!
あなたはそう思っているかもしれません。
そんなあなたのために僕が17年間マーケティングに取り組んできた実際の経験をベースに顧客の満足度を高める方法をお話していきます。
このページではビジネス初心者から上級者まで実践できる、顧客満足度を高めるヒントがあります。
順番に理解及び実施していくことで、確実に顧客の満足度を高めることができます。
特に次の流れでお話していきます。
- 僕のことを知らない人のために(本題に入る前に)
- 顧客満足度とは何か
- 顧客満足度は売上につながらないのか
- 顧客満足度を高める方法で特に大きな誤解
- 顧客満足度を高める6つの方法
現在のあなたの顧客に合わせ、実践してみてください。
僕のことを知らない人のために(本題に入る前に)
顧客としての経験は10年
現在、僕はマーケティングのコンサルタントとして、大手企業やベンチャー企業などの顧問などをさせていただいていますが。会社員時代は大手金融機関グループのある事業のマーケティングの責任者(課長)をしていました。
期間にして約10年。マーケティングの部署にいて膨大な予算(コスト)を管理していたこともあり、多くの優秀な企業、営業マンを相手にしていたわけです。
ずっと「顧客(発注者)」をやってきたわけです。
マーケティング経験は17年
マーケティングの経験は17年(独立後も含め)。マーケティングの中で特に大切にしているのは顧客への「リサーチ(調査)」で。
17年もの間、ひたすらに顧客のことを分析し続けてきました。
『リサーチ』については書籍を出していています。『顧客の「本音」がわかる9つの質問』という本で、Amazonのマーケティング部門で1位なども獲得していました。
現在は大手企業からベンチャー企業の顧問などをさせていただき、商品開発やプロモーション、顧客満足度を高めるため、リサーチを続けています。
顧客満足度とは何か
顧客満足度を高める前に、そもそも「顧客満足度」とは何か。
そのことに悩んでいる人もいると思います。
まずは「顧客満足度」とは何か、最低限押さえておかなければいけないポイントをお話します。
最初に押さえなければならないのは、ビジネスで最も大切なのは「顧客」だということです。
これについては、次の記事で解説しています。
◯記事『顧客とは何か、そんなことは知っていると思っていませんか』(みんな読んでます)
「顧客」はそれだけ重要なわけです。
で、顧客満足とは何かって話ですが、文字通り、顧客の満足です。
英語では「Customer Satisfaction」。略して「CS」などと言われていますが、そんな言葉はどうでもいいです。
まずは「顧客の満足」が綺麗ごとではなく、重要だということです。
経営学者ピーター・ドラッカーはこう語っています。
「企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることは希である。……顧客は、満足を買っている。しかし誰も、顧客満足そのものを生産したり供給したりはできない。
満足を得るための手段を作って引き渡せるにすぎない」
「顧客は満足を買っている」という言葉どおり。「満足」は非常に重要なわけです。
ただ、実は一部では「顧客満足度」などの指標を設けて追求していっても、企業や商品の売上につながらないとも言われています。
一方で「顧客満足度は大切だ」と言われ、他方で「顧客満足度は大切ではない」と言われているわけです。
実際、売上を上げるために「顧客満足度」を高める必要はあるのでしょうか。そのことについて、これから話していきます。
顧客満足度は売上につながらないのか
顧客満足度を高めても売上につながらないという人がいるのは事実です。
ですが、10年間、顧客(発注者)の立場にいて。17年もの間、マーケティングに携わり、様々な企業の顧客分析をさせていただいた僕の立場からいうと、
『正しく顧客満足度を高めれば、確実に売上は上がります』
直近でも、支援させていただいているベンチャー企業の売上がまさにこれで。
正しくリサーチ(調査)をし、それを満たすような対策をとり、わずか半年で月商が344.6%と、3.4倍近くの月商になっているケースもあります。
この売上は一時的ではなく、継続して売上が上昇しているし。このケース自体も一例ではないです。
正しく顧客満足度を高めれば、確実に売上は上がります。
衛生要因と動機づけ要因
ただ、この顧客満足度には2つの要因があります。
それが「衛生要因」「動機づけ要因」の2つです。具体的にいえば、「衛生要因」「動機づけ要因」は次のものです。
衛生要因
この「衛生要因」の問題を解決しても、売上を高めることにはつながらない。でも、売上を下げることにはつながってしまう。そんな要因です。
該当するものはいくつもありますが、1つ具体的にあげれば「遅刻」などです。
たとえば、あなたが顧客で。「3時に訪問させていただきます」という営業マンと約束し、自宅で待っていたとしますよね。ところが、3時になっても営業マンは来ない。電話一本さえも来ない。
腹が立ちますよね。
もし、あなたがその営業マンから何かを既に買っていたら、「もう彼からは買うのをやめよう」と考えるかもしれない。このように売上を下げることにはつながります。
ただ、この「遅刻」の問題を解決したら、売上が上がるかというと、そうではない。「遅刻」しないのが当然のことだからです。時間どおりに来たからと言って、売上が上がることにはつながらないわけです。
ここは本当に注意してほしいのですが。
「売上を高めることにはつながらない」と聞くと、「じゃあ遅刻してもいいですよね」と考える人もいると思いますが、そうではないんです。売上を下げることにはつながります。なので、確実に対処しなければならない要因なわけです。
動機づけ要因
「動機づけ要因」は衛生要因の逆です。
基本的にはこの要因が満たされないとしても、売上を下げることにはなかなかつながらない。ただ、売上を上げることには間違いなくつながります。
たとえば、Appleの製品デザインなどです。
最近ではそこまで他の競合製品と大きな差はありませんが、iPhoneが出たばかりの頃、MacBook Airが発表されたばかりの頃は半端ではなかったわけです。
「このデザインは凄まじい」という多くの人が感動するほどのものだった。
仮に、この他を圧倒するデザインがないとしても、そのためにクレームが起きたり、売上が落ちたりはしないわけです。「遅刻」などとは違います。
ただ、売上を上げることにつながる。
Appleのデザインのことはあなたが理解しやすいようにするため、例にあげましたが、実際にはこのレベルでなくともいいです。
感動的なものでなくとも、この要因に該当するものはいくつもある。それに対処していくだけです。
つまり、「顧客満足度を高めても売上は上がらない」と話している人はこの点を誤解されています。衛生要因の「遅刻」などを改善して顧客満足度を高めても、売上は上がらないですよね(遅刻していたら、売上は下がりますが)。そういう点を誤解しているのです。
顧客満足度を高める方法で大きな間違い
では、顧客満足度を高める方法ですが。
意外に間違っている例があるので、まずはそれを押さえてください。
特に大きいのが……。
「顧客に感動的な経験を届ける」
というものです。
「顧客に感動的な経験を届ける」という、言葉や表現はさまざまです。「顧客の期待を超えるような体験を提供する」とか「顧客の期待値を超える」などという人もいます。
ただ、問題なのは、これは顧客満足度を高める方法としては間違っているということです。
実際に感動的な経験をしてもらえればもちろん「いいこと」なのですが、感動させるのはカンタンではないし、再現性が低いわけです(一部の企業は取り組んでいますが……。まず目指すべきところではありません)。
仮に感動させたとしても、それは一時的であり、継続させることはできません。
僕自身、17年もの間、リサーチを続けてきて、満足している、という顧客の回答に「感動的な経験」があったことはまずないです。逆にいえば、そこまでは必要ではないわけです。
顧客満足度を高める6つの方法
では、顧客満足度を高める方法を6つ、ご紹介します。
まずは、ここで顧客が満足した具体例を1つお話します。先ほど、少し触れましたが、「満足した」と答える顧客の声を聞くと、それほど感動的なものではないです。
たとえば、スタバ。
Twitterなどでスターバックスコーヒーに対する声を見ると、こんなものがあります。
東名高速道路の上郷SAのタリーズで休憩の筈がいつの間にか通り過ぎてしまい🚗🚗🚗
一宮のPAのスタバで休憩する事になり寄ってみたら(#^.^#)🌟🌟🌸🌸知り合いの女性の店員さんがいて🍀ひさしぶりだったのか挨拶しに来てくれた🌸
嬉しかった💕💕
その子に逢うための日だったんだね😊🌹🌹 pic.twitter.com/ruSlfCzrRv— 薔薇🌹 (@__sandalphon) 2017年4月2日
ドラマの演出をしているようなことはありませんよね。
これを見ればわかるように「挨拶」だったりするわけです。
ツイートでは「挨拶しに来てくれた」とありますが、ただの「挨拶」でも満足の声は上がります。
実際、リサーチをしていると、「挨拶」というのは満足度の中でも多くて、非常に重要なものです。
では、具体的な満足度の高め方ですが。先ほどの「顧客満足度は売上につながらないのか」の「衛生要因」のところでも話しましたが、まずはそこを押さえることです。
ここを押さえないと、既に売れているものも売れなくなり、リピートも起きません。何よりも先に「衛生要因」を押さえることです。
そのために重要なことが「約束」です。
1.約束を守る
ただ「約束を守る」ことです。
「3時にお伺いします」と話したら、確実に3時に伺うこと。
「本日中に資料を送ります」と話したら、本日中に確実に送ることです。
ネットだけで展開するビジネスであれば、たとえば「3月1日に案内します」と話したら、確実に3月1日に案内する。それが重要なわけです。
約束を守る。まずはこれを押さえてください。
2.小さな約束を守る
その次に重要なのが「小さな約束」を守ることです。
サイバーエージェントの藤田社長が著書『憂鬱でなければ仕事じゃない』でこんなことを語っていたことがあります。
「取引先に大きな金額の仕事を任せるつもりが、ほんの小さな約束を守らなかったことが原因で、不安にさせて、寸前で逃してしまうことがよくあります。
また、社内で抜擢される機会を逃す人も、小さい頼みごとをおろそかにしたことで、大きな仕事を任せるのを躊躇していしまうケースが多いです」
実際、顧客側にいるとよくあることです。
たとえば、あなたが顧客でとても大きな契約をするとして、営業マンはその契約が「欲しい」としますよね。
そんな時に雑談であなたが「◯◯というマンガが好きなんですよね」と話したとします。
すると、その営業マンが「今週、こちらの方面に来るので、その時にそのマンガをお持ちしますよ」と言ったりします。
でも、今週が終わり、翌週になっても、その営業マンはマンガを持ってこないし、連絡1つ来ない。そういうケースです。
営業マンからすると、とても小さな約束なのですが、顧客にとってはそれも約束なんです。
そうした小さな約束を顧客はしっかりと覚えているわけです。そうした約束を守らないと「不安」になり、取引したくなくなるわけです。
3.約束していない約束を守る
1や2の「約束」に近いですが、「約束していない約束」ってありますよね。
「一般的には」とか「フツウは」というヤツがまさにそれです。
たとえば、あなたが顧客だとして、ある営業マンに問合せのメールをしたら、(営業マンは)フツウは返事をするだろう、というヤツです。
こうしたことって「約束はしていないわけです」。
顧客が「私が問合せをしたら、返事を必ずしてください」などとは言わない。
ただ、「一般的には(フツウは)」返事をしてくる。
そうした「約束をしていない約束」を確実に押さえることです。
……と、ここまでの1から3でも、とてもカンタンなことですが、かなり満足度は高まります。
それくらい、フツウのことって疎かにされています。
先ほどのスタバの「挨拶に来た」ということで喜んでツイートしていることを思い出してほしいんです。
あれは「久しぶりの人なので挨拶に行く」ってだけです。まさに「約束をしていない約束」の類です。
でも、この基本的なことでもやる人や企業は少ない。
だからこそ、Twitterでツイートされるくらいの喜びなわけです。
では、さらに「満足度を高めたい人や企業」のためにここからお話しますね。
4.顧客は「人」だと想うこと
シンプルですが、顧客を「人」だと想うことです。
顧客はお金を支払ってくれる人だし。データ分析などをしていると、「お金」や「数字」に見えてくるかもしれませんが、そうなると、ほぼ確実に顧客に伝わります(特に直接会ってビジネスをしているケースではかなり強く伝わります)。
先ほどのスタバの店員さんが「◯◯さん、久しぶりです」とわざわざ挨拶に来てくれた話には何を感じますか。
「愛」「感情」「優しさ」のようなものを感じますよね。それがとても重要なのです。
仮にこの店員さんが心のどこかで「お金」や「数字」のことを考えていたら、その言葉や行動にそうしたものが滲み出てきます。
顧客は「人として見られたい」のです。特に「大切な人」として見られたい。
なので、売り手側も顧客を「人」として見て、「人」として対応することです。
「仕事だから、とりあえず対応しないと」などと考えている人や企業とは大きな違いが出てきます。
5.顧客との約束を強化する
先ほど触れたとおり、顧客は約束したことを覚えています。
その約束を「小さな約束を守る」や「約束していない約束を守る」というところまで含めると、かなり大きな範囲になり。それらを気にしています。
そこを確実に守る売り手は多くはありません。
ここでの方法はそれらを守るだけではなく、強化するのです。
具体的にいえば、「3時にお伺いします」などと約束したとしたら、確実に「5分前」には訪問する。それを幾度も幾度も続けていく。
僕が顧客の時の経験でいうと、それを続けられると他とはレベルの違う「信頼」が生まれます。
信頼が生まれてくると、同じような商品だったら、その人から「買いたい」と強く考えるようになります。それがとても重要なのです。
6.調査結果をもとに顧客満足度を圧倒的に高める
僕は調査(リサーチ)の本を出しています。
『顧客の「本音」がわかる9つの質問』という本です。
この本でも触れていますが、正しく調査を実施し、正しく分析できれば、非常に強力なものになります。大手有名企業などでも実施されているので、まずは書籍をご一読いただいて、試してみてください(高度な分析については「書籍」ではわかりづらいので、個別対応させていただいています。お問合せください)。
顧客のニーズや問題をしっかりと把握し、その細部に対応していくのです。
僕が10年間、膨大な営業マンを相手に、「顧客」をやってきた経験。
さらに17年間もの間、膨大な顧客を「リサーチ」してきた経験でいうと、ほとんど全てのケースで売り手と買い手は食い違っています。要は「ズレ」がいくつも存在します。
その「ズレ」を正しく見出し、解決していくわけです。
それだけでも、確実に変わってきます。
わずか半年で月商が344.6%と、3.4倍近くの月商になっているケースもあるし、ほぼ全てのケースで結果につながっています。
ぜひ、取り組んでみてください。
顧客満足度を高めることができれば、あなたのビジネスの売上、利益は大きく変わってきます。顧客は増え、紹介は増え、リピートも高まってきます。
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