僕が支援させていただいている経営者、起業家の方には時々変わった人がいて(僕はマーケティング全般や商品開発などの支援をさせていただいている)。
「この人、スゴいな……」
そう僕自身がとても勉強になってしまうことがある。
スゴい経営者の1人
そのうちの経営者の一人。
彼は非常に順調で売上も利益も伸び、取引先も増え、ネットでの展開もうまくいっている。
なのに、彼は時々、工場で働く。
彼が経営しているビジネスには工場は絡まない。もちろん、彼自身もとても忙しいので、常に工場で働くわけではないけど、休日などに時々、働くらしい。それもキツイ工場で。
理由を聞いたら、明確な答えはなかったのだけど。僕が思うに、あれはトイレ掃除のようなものだと思う。
トイレ掃除
トイレ掃除は成功につながる、幸運につながる、などと様々な場面で言われている。これは一見、迷信のようだけど。日常の中で大変なコト、きついコトをやることに意味があるのだろう。
その意味で、工場でも、新規の飛び込みでも、何でもいい。時々、自分にとってのきつい仕事、大変な仕事をする。それらを定期的に経験することでラクな環境に自分を慣れさせない。
心臓に毛がはえたような彼のメンタルの強さはきっとそこから来ている。
芥川賞候補
そういえば、作家の村田沙也加の『コンビニ人間』が第155回芥川賞候補に選ばれたけど、彼女自身も工場で働く経営者の「彼」に似ている。
作家の彼女は午前2時に起きて小説を書き、朝8時からお昼1時までコンビニでバイトをしている。
「人間観察のため」と記事などには書かれているけど、彼女自身、
「人間観察をしてくるコンビニの店員はイヤだし、そんなことはしない」
と断言している。
その真偽はわからないけど、工場で働く彼同様、その行動は泥まみれになれる「自分」を創りあげ、彼女の小説を書くエネルギーにもきっとなっているだろう。
彼や彼女を見ていると、自分も強烈にきつい仕事を休日に何かやってみるかな、と考えてしまう。