起業家には長期間、成果があがらない時期がある
起業したり独立して、新たなビジネスを立ち上げた場合。スタート段階はかなり厳しい状況に陥ることもある。
「一体、どうしたら、うまくいくのだろう」と途方にくれることだってあるだろう。
先日、国立新美術館に建築家の安藤忠雄展を観に行ったのだけど。あの日本を代表する安藤さんでさえ、建築家としてスタートした時のことをこう語っている。
「最初は誰も相手にしてくれませんでした。社会が認めてくれない。事務所を開いても仕事がない。『今月は生きていけるだろうか?』という、常に追い込まれた状態の中で仕事を続けてきました。しかし、その経験をしたことで、多少のことでは動じない平常心を身に着けることができました」
認めてくれない。仕事がない。そんなうまくいかない状況の中、仕事を続けた。
「建築家と起業家は違うから」と言う人もいるかもしれないけど。僕が支援してきた起業家の方らを見ていても、やはりスタート段階は甘くはない。
起業家でいえば、サイバーエージェントの藤田社長も創業時をこう語っている。
「僕は起業した当初は、言葉は悪いですが悪魔に魂を売ってでも会社を潰してはいけないという覚悟でやっていました」
「私は1週間で110時間働くとメンバーに宣言。平日は朝9時から深夜の2時まで、土日は12時間ずつ働くわけです。創業したての頃は、意外と仕事がなくて暇でした」
悪魔に魂を売ってでも、と頑張り、1週間で110時間働くと宣言していても、仕事がなくて暇だった。
かなりの期間、成果という成果、仕事という仕事がないことだってある。
もし、あなたがその状況なら、長期間、成果が上がらない状況にモチベーションがなくなり、燃え尽きることもある。本来は真剣に頑張らないといけない時期なのに、そうなってしまう。
この気持ちは長期間、うまくいっていない人は思い当たるフシもあると思う。
これはかなり深刻な問題で。ここでダメになる人も少なくない。逆にいえば、この状況を乗り切ることができれば、かなり骨太な起業家になれる。
今回の問題はまさにそこ。長期間、成果がでない時期をいかに乗り越えるか、だ。
成果があがらない時期を乗り切る3つの方法
成功が必要だということを認識する
様々な起業家を見ていると、問題は、起業家自身がタフでないということより、その当人が長期間「成果がでていない」と考えていることの方が大きい。
人間はそれほど強くない。いつまでも成果があがらないと「このビジネスは本当に成果があがるんだろうか。ゴールがあるんだろうか」と不安になる。
最初の1ヶ月、2ヶ月ならいいけど。それが延々続き、半年、1年となってくると、モチベーションもやる気も失われてしまう。
そうした状況に対して、「自分は継続力がなくて情けない」とか「情熱が足りない」などと考えるかもしれない。
でも、そうではない。長期間、継続するには「成功」が不可欠なのだ。ただ、最終的な成功ではなく、次の成功を意識する。
小さな成功を達成していく
大きな目標を実現するには、それらを小さく分解し、実現していく必要があるのだけど。
そうした小さな目標を達成したら、その一つひとつに成功(手応え)を感じるようにしていく。
最終的な大きな目標を実現していなくとも、そこに行き着く一歩一歩は着実にゴールに向かっている。
一歩成し遂げ、また一歩を成し遂げ、そうして次々に目標を達成すれば、リズムがつき、弾みもでてくる。徐々に情熱も高まってくる。
先ほど触れたように、やる気がなくなるのは長期間、成果が出ないことだ。そのため、小さな成果を実現すれば、そこが防げるようになってくる。
小さな成功については、自分自身が「成功」だと思える内容。良いニュースとして発信できるような内容だと理想的だ。
小さな成功を長期間実現できない場合はさらに小さく
もし、小さな目標にしても、長期間実現できない場合は、その小さな目標をさらに小さくし、比較的短期に小さな成功(勝利)を経験し、情熱が生まれるようにする。
毎週がムリでも、隔週などの短期のうちに、小さな勝利を経験すると、ビジネスへの情熱が続くし、顧客にもその情熱を向けたモノを届けられるようになる。
今回のことでリズムがついてくれば、情熱が続き、ビジネスの実現スピードも高まってくる。
まとめ
長期間、成果が出ない時期を乗り越えるためには次の3つがポイントとなる。
- 成功が必要だということを認識する
- 小さな成功を達成していく
- 小さな成功を長期間実現できない場合はさらに小さく
あなたへの質問
もし、今、長期間成果が出ていない状況だったら、次の質問に答えてほしい。
- あなたは物事を続けるには成功が必要だということを認識しているだろうか。もし、認識していない場合は上記をもう一度読んでほしい。
- あなたは小さな成功を達成しているだろうか。小さな成功を長期間実現できない場合はさらに小さな目標を設定し、実現するようにしてほしい。