計画は必要か、それとも不要か
(幕末の)吉田松陰はかつてこう語っていた。
「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」
こんな言葉を目にすると「計画は必要だよな……」と思うだろう。
でも、一方で「計画は不要だ。未来は不確実なのだし、計画なんて意味がない」という人も少なくない。
「計画は必要だ」という人がいる一方、「計画は不要だ」という人がいる。
実際、「一体、どちらなんですか」と質問を受けたこともある。
さて、あなたはどう思うだろうか?
計画などというのはかなり根本的なこと。なので、必要か不要かによってやるべきことが随分と変わってくる。
今回は特に小規模なビジネスを展開している起業家(独立起業している人)のために「目標が10倍達成できる!計画の立て方5つの基本」という話をしていく。
これを押さえることで、10倍はやや大げさに聞こえるかもしれないけど、格段に実現が高まる計画を立てることができるようになる。
目標が10倍達成できる!計画の立て方5つの基本
計画は予想
特に大手企業などを辞めて、独立起業するような人は「計画」というとカチっとしたイメージで何が何でもその計画の内容を実現させていく印象を受けると思う。
でも、実際にはそうではない。
計画というのはあくまでも予想だし。あなたは預言者でもない。100%当たるようなことはないし、100%正しいとはいえない。
だから……。
「計画は予想」
まず、そう考えることだ。
これまで僕は17年以上、マーケティングに携わってきたけど。成功したケース(高い成果を上げたケース)の多くは計画どおりにいったものではない。
計画どおりに進めてきたものというよりは、臨機応変に進めていくものなのだ。
たとえば、Web広告を展開するとして……。バナー広告1つ作るとしても、それを構成するのは膨大な要素がある。コピー(文章)はもちろん、フォントデザインやサイズ。写真やデザインなどと非常に多くの要素があり、その組み合わせも無限。それらの最適な組合せを見出すのに一発目から正解に行き着くことなどまずない。
それがビジネスなどのプランになると、さらに膨大な要素。自社のみではなく、市場(顧客)や競合、それ以外などの大枠で見てもさまざまあり、それらを構成するのは異常なほどの要素となる。そこに時間軸をも含めた将来の見通し(予想)も考慮し、100%正しい計画を立てることなどまずできない。計画は予想に過ぎない。
その上、あなたが小規模なビジネスを展開する起業家であれば、過去のケースやデータなどの量が大手などと比べ圧倒的に少なく、分析や予想はブレやすくなる。その意味でも「予想」だと考えた方がいい。
「計画は予想」。そう考えたら、次の段階だ。
計画はマストとしてはいけない
「計画は予想」。そう考えた方がいいと話したけど。
それでも計画を作ると、その計画をマストとして、100%守らなければならないと考える人もいる。
計画が100%正しいのであれば、それを着実に実施することは意味のあることだけど。
「計画は予想」。正しいとは言い切れない。そのため、誤った予想に執着し、100%守らなければならないなどと考える必要はない。
計画はマストではない。
計画を実際に進めていくと、そのとおりにはいかないこともある。たとえば、数多くの失敗も経験するし、その中から微かな成功も見えてくる。
「これをやると失敗する。あれをやると成功する」というように失敗や成功が見えてきたら、それら失敗や成功を計画に反映し、常に臨機応変に対応していく。それが重要になってくる。
言い換えると、
予想だった計画を常に現実に合わせていく
ということだ。
あなたが起業家であれば、資金的にも、時間的にも、労力的にも制約がある中でビジネスを進めていく必要があるので、ここは素早く対応していくことが大切になってくる。
計画は長くなればなるほど外れていく
予想というのは、遠くになればなるほど外れていく。たとえば、明日の日本ならまだわかるけど、1,000年後の日本など、まずわからない。
計画も同じで。長期計画や中期計画といった長期の計画があるけど、それらは「計画は予想」というレベルではなく、その予想はもはや幻想になっていく。
複雑な要素が絡む中で、なおかつ、将来のことなどまず見通すことができない。
逆に短ければ短いほど、正しくなる可能性が高まる。すぐ目の前のことの方がよく見える。そのため、次のことが重要になってくる。
予想が最もリアルなのは「今」に近いものであり、「行動」している最中
すぐ目の前のこと。今、現在の状況が最もよく見える。
その意味では今に近ければ近いほど、その予想は正解に近づく。
もちろん、複雑な要素が絡むということは避けられないけど、それでも、遠い将来より今に近い方がはるかによく見える。
加えて、行動している最中だ。
通常は何かに取り掛かる前に計画するのが大半だけど、何一つ取り掛かっていない段階ではその状況はつかみようがない。正しく見えるのは実際に行動(実施)している最中。
その意味では実際に行動をしながら、臨機応変に対応していくことが重要になってくる。
つまり、今の状況を見ながら(時には少し先の状況を予想しながら)、行動しながら、臨機応変に対応するということだ。
それでも計画は必要
ここまで話すと、行動する前の計画は不要だ、と考える人もいると思う。
それでも、あなたが起業家で限られた時間や資金、労力の中でビジネスをしているのであれば、予想だという前提で、取り掛かる前に「成功する」と考えられる計画が必要だ。
それはとても有意義な作業だし、実際に成果が上がる確率はまったく違ってくる。
まとめ
まとめるとこうなる。
予想は必要だ。ただし、それにしばられる必要はない。あなたが起業家で小規模なビジネスを展開している人であれば、特に、だ。
- 計画は予想
- 計画はマストとしてはいけない。
- 計画は長くなればなるほど外れていく。
- 予想が最もリアルなのは「今」に近いものであり、「行動」している最中
- それでも計画は必要
あなたへの質問
- あなたは計画を立てているだろうか。
- 計画をマストとして、行動をとっていないだろうか。
- 必要以上に長期の計画を立てていないだろうか。
- 実際に計画を進めながら、臨機応変に対応しているだろうか。成功や失敗要因などを反映しているだろうか。