弱者の戦略 書評/まとめ

シェアする

sponsored link
レクタングル(大)広告

『弱者の戦略』

この本はAmazonで現在10,922位(2018年3月29日現在)。
ベストセラー本というわけではない。

でも、この本を読みたくなったのは僕が出版しようと考えていた内容の一つだったから。

弱者の戦略というと、その方向性にはランチェスター戦略などがあるけど、あれとは違う内容の本を書こうと考えていた。

そんなわけで、まさにこの本のタイトルが書こうと考えていたものだったので、早速読んでみた。

もう少し話すと……。

特に興味深かったのは、著者がビジネスと全く関係ないことを研究してきた人であり、静岡大学大学院農学研究科の教授で農学博士であったこと。

動物や植物の視点で「弱者」を描いている。

新たな知見を得るという意味でもこれは興味があった。

自然界における弱者がどのように生き残ったのか、それを知りたい人には最適な本だと思うし。実際、一般的なビジネス書を読むよりもはるかに参考になるだろう。

印象に残ったポイント

弱者は環境の変化に強い

弱者は数が多い。数が多いと多用な強みをもつ種が生まれるし、そうした種が環境の変化を乗り越え、種の絶滅という危険性さえも乗り越えることができる。

「弱者と呼ばれる生物は、数が多い。そのため、常に多くのオプションを用意し、多くのチャレンジをしている。だからこそ、環境の変化に対して強い」

「多様性」と「スピード」が弱者の戦略のキーワード

動き回ること、目出つことが良いわけではない。

目立たず生き延びることも秀逸。

「もっともっとと活発に動き回るだけが能ではない。動かず、目立たずに生き延びるナマケモノの戦略も。弱者の戦略としては秀逸である」

「ずらす」とは条件のわるいところへ移ること

競争を避けるには条件の良いところにいってはいけない。少し条件の悪いところに移ることだ。

この「ずらす」という戦略こそ、弱者の戦略の神髄。

「条件が良いところは、競争が激しい。競争を避けて、『ずらす』ということは、少し条件の悪いところへ移ることなのだ」

他が嫌がる変化(僻地)にこそチャンスがある。まさに我々人類も。

「人類の進化をたどれば、私たちは常に弱者であった。弱者は常にさまざまに工夫し、戦略的に生きることを求められる。そして、他の生物がいやがるような変化にこそ、弱者にチャンスが宿るのである」

「地球に危機が起こるたびに、命をつないだのは、繁栄していた生命ではなく、競争を逃れ僻地に追いやられていた生命だったのである」

オンリー1とは

オンリー1とはポジションのことである。

「オンリー1というのは個性のことではない。その個性を最大限に活かしてナンバー1になることのできる『ポジション』のことなのである」

ナンバー1とは

ナンバー1とは誰にもできないことなのである。

「ナンバー1の条件は『誰にも負けない』ことではなく、『誰にもできない』ことなのである」

「世界のどこかの場所で 、すべての生物はナンバ-1なのである。『ずらす』ということは、他の生物がナンバ-1になれない場所を探し 、自らがナンバ-1になる自分の居場所を 『探す』ことである 。そしてどんなに小さい場所であっても、ナンバ-1になる秀でた能力を持たなければならないのである」

1番強い者は、弱さを忘れず、その個性を最大限活かす者

「『一番強い者は、自分の弱さを忘れない者だ』」

書籍内容

海洋全蒸発や全球凍結、巨大隕石の衝突など、地球環境が激変しても多くの生命はしぶとく生き残り続けてきた。そして今でも、強者ではない動植物などはあらゆる方法で進化し続けている。群れる、メスを装う、他者に化ける、動かない、目立つ、時間をずらす、早死にするなど、ニッチを求めた弱者の驚くべき生存戦略の数々。

著者情報

稲垣/栄洋

1968年静岡県生まれ。静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省。静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て現職に

sponsored link
レクタングル(大)広告