恵比寿の夜
もう随分と前になるけど、親しい知人と恵比寿で飲んでいた時、彼はこう話してきました。
「橋本さん(僕のこと)、Facebook見ていると、何だか劣等感を感じるんですよね」
僕は驚いた。というのは彼は社会的にも地位が高く、人と比較することはできないけど、1,000人に1人くらいの恵まれた状況にあると思います(いや、1万人に1人かもしれない 笑)。
人間のタイプとしても精神的に強靭で劣等感を感じるタイプじゃない。むしろ、多くの人に劣等感を感じさせる側なのです。僕はその時にFacebookの怖さを感じました。
SNSが
精神に及ぼす影響
先日、Facebookを含めたSNSについてこんな記事がありました。
ピッツバーグ大学医学部の研究チームは、SNSが精神に及ぼす影響について調査を行った。その結果、SNSの利用頻度が高ければ高いほど、うつ病になりやすいことがわかった。
米国に住む19歳から32歳までの1,787名を対象にアンケート調査を実施(中略)対象となったSNSはフェイスブック、ユーチューブ、ツイッター、Google+、インスタグラム、スナップチャット、Reddit、タンブラー、ピンタレスト、Vine、リンクトインなどだ。
アンケートの結果、SNSの利用時間は1日平均61分で、利用回数(複数のSNS)は週平均30回だった。注目すべきは対象者の4分の1以上が、うつ病になる可能性が高いとされたことだ。SNSの利用頻度が低い人と比べ、頻度が高い人がうつ病になるリスクは2.7倍だ。
気になるのは、頻度が高い人のリスクは2.7倍ということ。
あなたの利用時間は厳密に測定しないとわからないけど、週平均30回。1日4回程度チェックしたら30回。多くの人は超えているはずです。
つまり、上記の4分の1の2.7倍だとして、ざっくり6割から7割がその可能性があるということです(厳密なデータがないからよくわからないけど……)。
この記事に対して「オレは気にならないけどね」などとFacebookで語っている人もいました。でも僕は関係してしまうと思う。そんなに甘くはない。
地位が高く
恵まれている環境でも
影響は大きい
僕は企業のマーケティングの支援などで膨大なリサーチをしてきているので断言できるけど、人はわずかなことでも影響を受けてしまいます。
毎日やっているSNSであれば確実に影響を受けます。
社会的な地位や裕福な暮らしの人であれば、いいわけじゃない。地位が高くなれば、交流している人々も恵まれた人ばかりになっていきます。常に自分よりも上はいるわけです。
他人の投稿。
そこから見える生活や交流関係。
「いいね」の数。
コメントの内容。
「人(ひと)のことを気にしない」なんて言っている人でさえ、「人(ひと)」のことが気になるのを習慣づけていきます。それがSNSです。
「他人のことを気にしないようにしよう」などという考え方が流行ってしまうのも、こうしたSNSがあるのだからムリはないわけです。
現実の姿を
表しているわけじゃない
ですが、少しだけ言うと、Facebookは現実の姿を表しているわけじゃない。
親とケンカした話題や夫婦喧嘩の話題は見たことがないし、孤独で寂しい、という投稿もない。
「アイツが先に出世して悔しい」なんて投稿もないし。「学校や会社をさぼった」なんて投稿も少ない(Twitterは頻繁にある。なので、Twitterの方がまだリアルかもしれない)。仕事がうまくいかない、なんて投稿もない。
人によっては毎日写真を撮りまくって、最高の1枚だけを投稿している人だっているし、自撮りの写真をすごい編集する人だって数多くいる。
現実にはどんな人にだってカッコ悪いところはあるし、みっともないところはある。でも、いいところだらけ。次のような写真ばかりです(現実には1人でいる時だって、あるし、必要なのに、です)。
創られた世界を比べてしまっている
こうなると、他人の生活が1.5倍どころか、5倍や10倍くらいの生活に思えてくるはずです。そうした創られた世界と現実の自分の世界を比べたら、それは勝てないのではないのかなと思う。
これは見る人にも悪影響を及ぼすけど、投稿する人自身にも良い影響は与えません。いいところばかり見せていると自分自身が空虚になってもいくはずだから。
SNSで劣等感を感じない3つの方法
「うつ病」までいかないとしても「劣等感」を感じることは良くはない。
それらは自分の「自信」にも影響を与えてしまうからです。「自信」は独立起業している人にはとても重要な要素です。ここに悪影響を及ぼすのは本当に良くないので、次の3つが重要です。
- SNSは「イイトコロ」ばかりが反映されている世界だと考える。
- SNSから時々離れる(時間を決めて使う)。
- 自分の投稿でカッコつけすぎない(バランスをとるために「いいねが0件になることに挑戦してみよう」と、どれだけ自分のカッコ悪いところを見せられるか、頑張ったりしてみる。本当の意味で人の反応が気にならなくなります)
独立起業している人であれば、SNSは重要でやめることはできないので、人の話は「イイトコロ」だけ投稿されたものだと考え、時々、離れることですね。冒頭の彼のように、かなり強靭な人だって、まいってしまう。甘くは見ずに、うまく付き合っていくことです。