青山での打合せ
昨日の昼は青山での打合せだった。
打合せの少し前には青山に着いていたので、表参道近くのスタバに入り、軽くPCで仕事をして、打合せ場所に向かった。
相手は女性経営者の方で、現在の状況など軽く雑談をしてから、本題に入った。
ご本人はどう考えているのか、わからないのだけど。現在は少し難易度が高い課題に取り組んでいた。将来の基礎となる部分。しかもその方は独特のこだわりをもっているので、その実現には、その課題を解決することは避けられなかった。
ただ、その課題はすぐに変化が得られるようなものではないし、すぐに解決できるものでもない。根気良く取り組む必要がある。
なので、その方の良い面を見出しながら、進めていく。けしてやる気を失わないように、でも課題を指摘しつつ。
打合せでもその方の興味がありそうな芸能人の話をしたりしながら、その日はとてもいい感じで終えた。
問題はここから…
でも問題はここからだ。実際にその方がその課題を解決していくようになっていくことができるのか。それこそがとても重要なことだった。
打合せが素晴らしい感じで終わること自体は最重要ではなかった。
「ここからが勝負」
そんな気持ちを持ちながら、表参道の駅から銀座線に乗りこんだ。
驚いたことが起きる
すると、その日の夜0時頃に、その打合せを反映したファイルがメールで送られてきた。
驚いたのは早速、ファイルが送られてきたこと。
ファイル自体は特に約束をしたものではないし、ましてや指摘内容を反映したものを送ってください、と約束したわけでもなかった。
それに指摘された内容を反映したものをその日のうちに送ってくる人はまずいない。
でもこの人はこういう人なのだ。
ずっと見てきているので、感じるのだけど、本心から「やろう」と思った時はその行動は早く、すばやい。逆に本心から思わないと、なかなか行動してくれないのだけど……。
ファイルの中身
早速、添付されていたファイルを開けてみた。
さっきも話したとおり、課題については
「すぐに変化が得られるようなものではないし、すぐに解決できるものでもない」
そう思っていた。
だけど、僕は人間の能力を甘く見ていたようだった。
そのファイルの中身はまるで別人のようなレベル。非常にレベルが高く、特にファイルの「前半」部分は完璧といっていいほどのレベルだった。
後半には問題点はあったので指摘させていただいたのだけど。たとえ、前半だけであっても、ここまでのものは珍しい。
きっと何かを掴んだのだろう。掴んだと本人が実感していないとしても、何かが理解できたはずだ。
これだけ驚くほどの成長を遂げたのだ。昨日の打合せはその方の人生を変えてしまうような瞬間だったのだろうと思う。
本人が気づいているかどうか実感しているかどうかはわからないけど、とても重要な時間だったのだろう。
人間の成長
17年間、僕はマーケティングに携わってきた。そこでは多くの人を育てるという場面にも幾度となく関わってきた。
強く感じるのは、自分一人での成長は難しいということ。僕がそんな時にイメージするのは釈迦(仏陀)のこと。
釈迦はガヤー村の菩提樹の下で座禅を組み、静かに瞑想に入った。
悪魔はそれを妨害するため、大軍を送り、悟りを阻止しようとするけど、釈迦はその全てに打ち勝ち、瞑想開始から49日が経った12月8日。ついに悟りを開く。そうして、彼は菩薩(修行者)から仏陀(覚醒者)となった。
自分自身で悟るというのは、非常に難しいことで。仏陀だからこそ、一人で覚醒した。
でも僕ら凡人は(いや、あなたは仏陀かもしれないけど)、自分一人で悟りの境地に至るのではなく……、
他人と接することだ
具体的にいえば、他の誰かの考え(経験なども含めた)と触れ合うことで、まるで化学反応のように、何かが生まれ、人生に大きな前進をさせてしまう。
僕はそうした場面を幾度となく見てきた。僕なりの17年の歳月をかけて試行錯誤してきたモノが、誰かの思考と接することで、その誰かの思考が大きく前進していく。これは大げさではなく、本当にそうしたことが人生をも変えてしまう。
逆にいえば、僕も他の誰かのおかげで大きく前進した。
よくプロアスリートなどが「あの人との出会いが僕を変えてくれた」などということがあるけど、ああしたことは本当に貴重な出来事なのだけど、それと同じことを自分自身で仏陀のように悟るのは難しい。
他人と接することで、話したりすることで、「あー、そうだったのか」とまるで科学反応のように得ていくものなのだ。
どんな人がいいのだろうか
では、どんな人と接するとそういうことが生まれるのか、だけど。
まずは何より重要なのは、相手のことを信じていること。これは大前提で、相手のことを信じていなければ、その人が発する言葉も信じることはできない。
その上で、自分の先を行く人だ。
人生を先に歩いている。もしくはある分野を自分よりも先に取り掛かり、実際に成果を上げているなど。とにかく先を行っている人だ。
そうした先を行く人と話したり議論したりすると、ふと人生を変えるようなモノを手に入れることができる。
先を行く人の努力や試行錯誤をまるでタイムマシンのように一瞬で、その試行錯誤の時間を飛び越し、未来に行くように手に入れることができる。
「家族のような人たちから、何か『悟り』を得るようなことはないんですか?」
そう聞かれることもあるけど、これは非常に少ない。
毎日のように会っている人というのは、既に影響を受けまくっていて、ある意味ではその人自身(一部分)でもある。そうした家族のような人の思考や言葉から化学反応は起こりづらい。
昨日の打合せはきっとその方の人生をも変えるものになるだろう。いや、そう確信している。それくらい、送られてきたファイルは本当に素晴らしい出来だった。
きっとあなたも同じ。
そんな誰かと接することで、化学反応は起こり、人生は一瞬にして変わってしまうものなのだ。逆にいえば、同じような人と会っていても化学反応は起きないし、人生は変わりにくい。
あなたへの質問
あなたの人生を素晴らしいものに変えていくため、次の質問に答えてほしい。
- あなたは、あなたが信頼していて、先を行っているような人と会っているだろうか。
- 会っていないとしたら、どのようにしたら、出会うことができるだろうか。