有村架純主演の『ひよっこ』が最終回
連続テレビ小説『ひよっこ』が9月30日に最終回を迎えた。
主演は有村架純。
この『ひよっこ』の放送終了に対し、ネット上には「ひよっこロス」が広がっているらしい。
『ひよっこ』放送終了に対する記事
10月1日、次の記事がYahoo!ニュースで流れていた。
記事にあるように、近年の朝ドラの王道パターンは「ある職業を目指すヒロイン」「偉業を成し遂げる女性の一代記」で。
これは確かにそうで、朝ドラはまるで大河ドラマのような話が多くなっていた。立派な人になる話を伝えるものだった。
でも、『ひよっこ』は何かを目指す立派な人ではない。
地味でもいい。
地味の中にも幸せはある。
それを伝えるものだった。
記事にはこう書かれている。
「(主人公のみね子は)家のために働くこと優先で、自分の目標や夢をもつ余裕がなく、彼女をモデルに漫画を描いている漫画家たちには、人生が『地味』だとダメ出しされてしまう。
だが、『ひよっこ』では、『泣くのはいやだ 笑っちゃおう』だとか『悲しいことを、人の力によって打ち消す。マイナスをプラスにする』だとかいう言葉が折につけ出てきて、『悲しいこと』を転化するトライが行われてきた。みね子は常に、悲しみをちょっとだけずらして回避してきた……」
何かを目指す立派な人ではない
この「何かを目指す立派な人じゃない」という点。そういう人にも幸せはある、と伝えるもの。
これが多くの人から支持されるというのは(僕が)支援している「著者」や「コンテンツを提供するビジネスをしている人たち」の顧客の声を見ていても、明らかに見られるもので。
そもそも、「何かを目指す大河な人」ばかりではないのだ。そうした方向で素晴らしく描かれたものはやはり多くの人に受け入れられる。
『ひよっこ』ヒットの3つのポイント
記事にはこのドラマを支持している数多くの人たちのコメントが寄せられていたけど。特にヒットのポイントは次の3つだった。
1.普通の人が普通の幸せをつかむ
まずはこれまで話したとおり、普通の人が普通の幸せをつかむということ。何かを目指す特別な人ではないということだ。
「普通の子が東京で普通の幸せを掴む話に多くの視聴者が共感を得たのだと思う」
「派手さがなかったこそ、昭和の懐かしさ、人の暖かさ・・共感できた気がする!」
2.家族愛や友情
普通さや地味さだけでなく、そこに家族愛や友情が含まれるもの。家族愛や友情などのコミュニケーションが薄れている現代だからこそ、それが希少性を生むのだろう。
「ひよっこは地味な中にも家族愛や友情が描かれていて良くできた作品でした。前作のべっぴんさんの方がよっぽど地味ヒロインで地味な話で、この点が大きく異なると思う」
「あんなに良い人ばっかりだと幸せな社会だろうな。
みね子も地味なようでしっかりした性格なのは農村のコミュニティと愛情のある家庭で育って培われた、信頼関係の上に成り立った人間関係を築けるからというのもあるのだろう。
一見ほのぼのしているようでコミュニケーション不全に陥った現代人に対する脚本家からの警鐘を感じた」
3.温かい気持ちになる
人生なので、悲しいことはもちろんある。そんな時でさえ、温かい気持ちにしてくれる。
「なにより、陰湿ないじめをする登場人物がいなくて楽でした。おしんもだけど、ごちそうさんとか、いじめのシーンは見てるのが辛いときもあったけど、ひよっこは、辛いときでも、励ましてくれる人たちに囲まれてて、温かい気持ちで見ることができました」
「ヒロインは太陽みたいな良い因果応報が常に周りに起こっていて、1話1話ほっこりさせてくれるシーンを入れてくれてた。
悲しいことも周りの助けを借り健気に乗り切っていく姿はとても気持ちがよかった」
以上、3つはコンテンツを創る人はもちろん、様々な人に参考になる。
その他、描かれた昭和という特有の話だけど、「懐かしさ」というのも共感を生んだ要因の1つだろう。
「派手さがなかったこそ、昭和の懐かしさ、人の暖かさ・・共感できた気がする!ひよっこ2、ぜひ御願い致します!」
3つのポイント(まとめ)
- 普通の人が普通の幸せをつかむ
- 家族愛や友情(1人1人に物語を感じる個性を描きつつ)
- 温かい気持ちになる
『ひよっこ』だけでなく、最近のヒットの一つの方向性だと思う。