『105人連続契約の秘密』
東京駅近くの丸善で見つけた本。表紙は赤の背景に白字で目立つ。
『なぜか即日即断してしまう 105人連続契約の秘密』
105人を連続で契約し、しかも即日即断と来る。
強烈なタイトルで、しかも、帯には「3万人以上が実践」とある。
表紙自体がとても工夫された本です。
僕は仕事柄、マーケティングを仕掛ける側なので、こういう表紙は注意してしまうのだけど、中身が気になったこともあって、読んでみました。
著者はもともと、フィットネス業界で働くセールス担当のスタッフの方。
そこで年間契約率96%超、105人連続契約という業界でも前人未到の成果をあげ、2002年に独立し、研修や講演などを実施しているらしい。
表紙には実績がこう掲載されています。
- 高額物件が次々に売れた(不動産販売)
- 年間入会率20%が80%台に(ピアノ教室)
- 売上1億円以上の成果があがった(フィットネスクラブ)
- 見学者の契約率が20%から78%に(結婚式場)
- 1年の入塾数をたった2ヶ月で上回った(学習塾)
それでは、この本で印象に残ったポイントをご紹介していきたい。
105人連続契約の秘密 印象に残ったポイント
「ちょっとした工夫」がセールスを変える
セールストークが魅力的な人とそうでない人との違いは何か。
それは「ちょっとした工夫の違い」だという。
「セールストークが魅力的な人と、そうでない人の差はなんなんでしょうか。コミニュケーション能力の違い?経験の差、それとも表現力?(中略)私の答えは、『ちょっとした工夫』の違いです」
伝え方に必要な5つのこと
物事を伝えるには5つの必要なことがある。
- 特徴とメリットをセットで伝える
- 今あるものプラスワン
- 「すごい!」の体験化
- 評価の声を使う
- あなた自身の声を使う
今あるものにプラスワン
伝え方に必要な5つのことのそれぞれについては、実際に本をとって読んでいただければと思うけど、ここでは「今あるものにプラスワン」を話していきたい。
たとえば、「生キャラメル」の例でいうと、キャラメル自体は昔からあるものだけど、そこの「生」というプラスワンを加えたから、ありふれた商品が全く新しい商品になった。
「キャラメルはずっと昔からありました。それなのに、なぜ火が付いたかと言えば生というプラスワンが加わったからです。『生』+『キャラメル』で、ありふれた商品の全く新しい価値を持つ商品となったです」
お客さんに理由を伝えて動かす
お客さんに「すごい!」という体験をさせると購入につながっていくのだけど、ここにハードルがある。実際にはただ体験させようと思っても難しい。
体験させるには理由を伝えつつ、自然と動かすことが重要になってくる。
「お客さんを体験に導けなかった原因は、まさしくこれでした。理由を伝えてどう自然に動かすかが、私には足りていなかったのです。後日、大道芸人から学んだ『理由を伝える』方法を実践しただけで、驚くほどお客さんが受け入れてくれました。動いてもらうよう伝える。そう聞くとなんだそんなことかと思うかもしれません」
4つの不安を解消すれば売れる
次の4つの不安のうち、1つでも不安を抱えさせたまま、セールスを行うと契約率が下がる。
- 結果への不安
- 支払いへの不安
- 決断に関わる不安
- 担当者への不安
特に料金についてはお客さんはかなりデリケート。料金の話をいつにするかでも契約率は変わる。体験や案内の前に料金説明をすることはオススメ(僕が見てきたケースでいえば、ここは検証が必要だと考える)
プロとして信頼される
プロとしてお客さんに信頼され、顧客の心に響くようにするために必要なのは「服装」と「肩書き」
「あなたを信頼してもらえるために大切な要素があります。それは『プロ感』です。あなたの何者なのかをお客さんは知りません。お客さんに信頼できそうと感じてもらうためにあ、なたがその道の『プロ』であることをしっかり伝えることで信頼され、セールストークも心に響くようになるのです。このとき大切なのは『服装』と『肩書き』です」
商品説明ではなく、お客さんの願いを叶える
セールストークで間違えがちなのは単なる商品説明をしてしまうこと。そうではなく、お客さんの願いを叶える説明をする。
「セールストークは、単なる商品説明ではなく、お客さんの願いを叶えるための商品説明でなければならないのです」
その上で「自分たちの商品であれば、悩みがある現状が理想の姿になる」と伝われば、お客さんにほしいと思ってもらえる。
105人連続契約の秘密 その他のポイント
お客さんへの質問
お客さんの情報を色々と聞きたくなるが、それをやると尋問しているようになってしまう。だからこそ、次のような一言を述べてから質問する。
「お一人お一人に合わせたご案内のために、ご質問させていただきます」
これを伝えることで、質問が自分のためのものだとわかる。
質問についていえば、既に経験している「現在」や「過去」については答えやすく、「未来」については答えづらい。質問を軽くして聞く必要がある。
断られることを恐れるな
営業している人はどうしても断られることを恐れてしまいがちだけど、イエスかノーをはっきりと聞くことが重要。
「断られること自体は悪いことでありません。問題は、断られもせずに『考えます』と言われ『ご検討ください。またお待ちしています』と帰らしてしまうことです。この原因はとてもシンプルです。あなたが断られるのを恐れ、イエスかノーかをはっきり聞いていないからです」
顧客の一番の迷いを聞き、解決する
お客さんが迷っている場合、それを恐れてはいけない。そうではなく、その一番の悩みを引き出し、解決する。そうなると、契約はグッと近づく。
熱いうちに打て
時間が経ちすぎると、レスポンスが極端に落ちていく。熱いうちに打つことが重要になってくる。
「次回のお約束には、基本的には7日以内、遅くとも10日以内に設定します。10日を超えると戻り率が極端の落ちていくのです」
クリアファイルで渡す
封筒に入れてしまうとほとんど読まれずに終わる。
そのため、クリアファイルを用意することだ。これにより、レスポンスを高めることができる。著書には重要なものとして認識されるから、とあるが、それだけではなく、実際に書類が目に入るからだ。
「クリアファイルを用意することで戻り率を高めることもできます。手書きのまとめをほかの資料といっしょに封筒に入れるとほとんどが読まれずに終わってしまいます。重要なものと認識してもらえないからです」
105人連続契約の秘密 書籍内容
「高額物件が次々に売れた」(不動産販売)
「年間入会率20%が80%台に 」(ピアノ教室)
「売上1億円以上の成果があがった 」(フィットネスクラブ)
「見学者の契約率20%が78%に」(結婚式場)
「1年の入塾者数をたった2か月で上回った」(学習塾)……
契約率96.7%、105人連続即日契約!
業界で前人未到の成果を叩き出し、
セールスコンサルタントとしても
多種多様な業界の契約率を改善し続ける著者が、
10年以上、3万人以上の経営者・スタッフに教えてきた、
契約率アップのノウハウを初公開!
- ありふれた特徴が一瞬で魅力的に変わる「いまあるもの+1」
- 「へぇ~」が「すごい! 」に変わる“体験化”トーク
- 料金説明は「最後」ではなく「最初」
- 一瞬で信頼を得るための裏ワザ
- ビフォー・アフター理論でお客さんの叶えたいことを掘り下げる
- 契約率を劇的に上げる「3ルートクロージング」
- 特典を10倍魅力的に見せる方法……
105人連続契約の秘密 著者情報
林佳範(はやし・よしのり)
有限会社感動セールスサポート代表。1978年、大阪生まれ。体育専門学校卒業後、フィットネスジムに勤務。トレーナーとして活躍する中、セールス専任部門を立ち上げリーダーとなる。自ら体系化した法則を実践し、前人未到の記録105人連続入会を樹立。契約率96.7%という驚異の数字をたたき出す(当時の業界平均は約30%)。業界で一躍話題となり、そのノウハウを世に広めるべく2002年に独立。2004年には有限会社感動セールスサポートを設立し、代表に就任