アンカリング効果で成果を激変させる方法を知っていますか
起業家やマーケティングに携わる人が知っておいた方がいいことの1つに「アンカリング」があります。
商品やサービスを売れるようにしたい!という時に「アンカリング」が使えます。
今回は、アンカリングとは何か、について話していきます。
たった1秒。
いえ、1秒は少し大げさだとしても、そのくらい一瞬で採り入れることができ、実際に効果が上がる方法です。ぜひ、参考にしてみてください!
アンカリング
アンカリングの意味
「アンカリング」を説明する前にまず押さえるべきは「アンカー」です。
1つ質問です。
「アンカー」とは何でしょうか?
……「アンカー」というのは錨(いかり)のこと。実はそこからこの「アンカリング」が来ているわけです。
アンカリングというのはむつかしく言うと、「認知バイアス」の問題の1つです。
認知バイアスっていうのは「人間が誤って認識してしまう」ということで。まさにアンカリングによって、人は現実を歪めて捉えてしまうわけです。
このアンカリングの意味を正しくいうと……
先の数値(アンカー)が後の数値などを歪めてしまうこと
(後に判断される数値が先の数値(アンカー)に近づいてしまう)
- 先の数値(アンカー)→後の数値(この数値が歪められる)
……ということですが。これだと、まだピンと来ないこともあると思います。
アンカリングの一例
なので、ここで1つ例を上げます。
まず、次の質問に答えてみてください。
「ナイル川は300kmより短いでしょうか。長いでしょうか。
あなたは何kmくらいだと思いますか」
さて、どうでしょうか。
ここでナイル川は何kmくらいか、答えを出してみてください。
……
ちなみに、こういう質問で実験をすると、その答えは「400kmから500kmあたり」が多くなると言われています。
ところがもし次の質問のように、
「ナイル川は1万6千kmより短いでしょうか。長いでしょうか。
あなたは何kmくらいだと思いますか」
などとなると、今度はその回答の平均値は「1万1千kmから2千kmくらい」になったと言われています。
これこそがアンカリングです。
最初に提示した数字が300kmだと、そこにアンカー(錨)が置かれたように、それを基準に物事を判断する。なので、400kmから500kmあたりという回答になってしまう。
それが最初に提示する数字が1万6千kmとなると、今度はそこにアンカーが置かれ、平均値は1万1千kmから2千kmくらいになってしまう。
頭に中に置かれる「アンカー」によって物事の判断が歪められてしまうというわけです。
給料日の後になぜか金遣いがあらくなってしまうのも、まさにこれ。物事の判断が歪められるからです。
アンカリングで商品/サービスを一気に売れるようにする
実は、このアンカリングであなたの商品やサービスをグンと売れるようにできます。
たとえば、全く同じ2つの商品を同じ場所で販売するとします。便宜上、AとBとしておきます。1万円でこの2つを売るわけです。
- A:10,000円
- B:10,000円
同じ商品を同じ場所で販売するのであれば、同じ程度に売れるはずですが。
商品Aに「ある細工」を加えることで劇的に売れるようになります。
たとえば、次のように、です。
- A:
30,000円→10,000円(66.6%引き)
B:10,000円
30,000円を参考価格にして、それが10,000円になったと提示すると、Bと同じ10,000円の商品なのに、全く見え方が変わってしまいます。
お得に感じるわけです。
これはAmazonなどでも行われていて、たとえば、「Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM」の場合、2018年5月25日段階の価格ですが。
- 参考価格:
¥21,060 - 価格:¥14,380
- OFF:¥6,230(30%)
と掲載されています。
しかも「残り20点 ご注文はお早めに」と、アンカリングと希少性を訴求しているわけです。
同じ商品を¥14,380とただ掲載した場合とは全く売れ行きが変わってくるわけです。
アンカリングの応用
これまでアンカリングの話をしてきましたが。大枠は理解できたと思います。
ここからは応用編です。
広く見れば、
アンカリングというのは「過去」にアンカーが置かれ、「現在」が歪められるということです。
「過去」に印象に残った数字などがあると、「現在」の数字が歪められてしまう。
判断がおかしくなってしまうのです。
その意味では人は物事を正しく判断できるわけではなく、「過去」にすごく左右されてしまう。
つまり……
あなたがお客さまのAさんに商品を売ろうとする時。
お客さまAさんから見て、あなたとのこれまで(過去)の関係や印象が良ければ、その商品は売れる確率が高くなります。
過去が良かったんだから、今回(現在)も良いだろう、という感じです。
ところが、これまでの関係や印象が悪ければ、今度はその商品が売れなくなる確率が高まります。過去が悪かったんだから、今回(現在)も悪いだろう、と。
同じ商品であっても、前者と後者では全く売れる確率が変わってくるわけです。
このアンカリングの視点でいうと、過去、成功を続けている人は売れる確率がさらに高まっていくし。過去、失敗を続けている人は売れる確率がどんどん低くなっていきます。
なので、1つ何かで成功したら、そこで落ち着くのではなく、次も成功をさせるようにしていくと、アンカリング効果が発揮され、ビジネスがしやすくなっていくわけです。
アンカリング1つとっても、様々なことに使えるわけです。
まとめ
- 先の数値(アンカー)が後の数値などを歪めてしまう。後に判断される数値が先の数値(アンカー)に近づいてしまう。
- アンカリング効果を効かせると、より売りやすくなる。
- Amazonなどの価格の提示も参考にすること。
- 1つ成功したら、そこで落ち着くのではなく、次も成功をさせるようにしていくと、さらにアンカリング効果が発揮される。
あなたへの質問
- あなたは価格の提示の時にアンカリングを用い、より売れやすくなるようにしているだろうか。
- Amazonなどの価格提示を参考にしているだろうか。
- 一度の成功で落ち着いていないだろうか。その次も成功させ、アンカリング効果が高まるようにしているだろうか。