新規客の獲得コストは驚くほど高い
あなたがダイレクトメールを展開するとします。
商品はあなたがイメージしやすいモノでいいです。10万通のダイレクトメールを用意して、顧客にそれらを送付します。
一方が新規のお客さま。ほとんどといっていいほど関係がないお客さまです。もう一方があなたの商品を一度購入した経験のあるお客さまです。それぞれ、5万通ずつ、送付します。
- 新規客 50,000通
- 既存客 50,000通
さて、結果はどうなったでしょうか?
広告やプロモーションに慣れている人なら即答できると思います。これは一度購入した経験のあるお客さま。つまり既存客の方が圧倒的にレスポンスが高いわけです。
レスポンスというのは「反応」するという意味で、ここでは「買う」ということです。つまり、新規客よりも既存客の方が買うわけです。
新規客と既存客の具体的なレスポンスの違い
既存客の方が買う。コレは紛れも無い事実。
そういう時があるというレベルではなく、ほぼ確実にその結果になります。
じゃあ、どのくらいレスポンスに違いがあるか、というと、扱う商品や既存客の度合いによっても違いますが、大抵10倍以上の開きはあります。
たとえば、次のようなイメージです。
- 新規客:10,000人にDM→7人がレスポンス
- 既存客:10,000人にDM→100人がレスポンス
既存顧客の反応は圧倒的に高いわけです。
あなたも経験があるはず……
これはあなたにも経験があるはずです。たとえば、デパートで毎月のように買い物をしている人なら、デパートからは毎月のようにダイレクトメールが届くはずです。それはまさに上記が理由なわけです。
シンプルにいえば、次の考え方です。
買う人は買う。
このシンプルな考え方のとおりに動いているわけです。
既存客への企業の取り組み
既存顧客、その中でもお得意様を大切にし、収益を上げるという考えは様々な企業で行われています。
例えば、月の購買金額が多い顧客に対し、買い物に使えるポイントを多く配布する企業もあります(事実上の商品の提供価格に差をつけるということです)。
また、発売前の商品を優先的に販売するのもよくある話です。
パレートの法則
よく知られている法則に『パレートの法則』があります。
これは、全体の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論で、80:20の法則などと呼ばれています。
この場合でいえば、2割前後の顧客が8割の売上を上げていると考えられるわけです。実際に見ると、ここまでではないけど、その傾向はどのようなビジネスにも見られます。
そのため、既存客からさらに絞った2割の顧客に対し、重点的に対応し、売上を上げていくわけです。
2割に絞る絞らないはともかく、既存客を重点的に対応することは正しいわけです。
無名起業家でうまくいっていない場合
ただ、問題があります。
あなたが無名の起業家で、ビジネスがうまくいっていない場合、次のように考えるはずです。
「既存客が大切と言われても、そもそも、既存客はほとんどいないし、新規をとらないとやっていけない。新規が重要なんだよ」と。
そう思ってしまう可能性も高いわけです。でも、実はそれも違うんです。
新規客獲得に既存客の対応が重要
新規客を獲得する時にも、既存客の対応や、その体制がきちんとなされていることが非常に重要なんです。
たとえば、あなたが単価が2000円の商品を販売しているとして、新規客を獲得した場合、2000円の売上が上がります。
- 新規客が2,000円の商品を1つ購入→売上2,000円
でも、既存客の対応が不完全な場合、それでおしまいの可能性も高い。その後の売上はないわけです。たとえば、その商品の粗利が50%であれば、粗利1,000円になります。
1,000円程度では、そもそも、他のコストをカバーできないし、その後の広告などに回すこともできないわけです。
でも、既存顧客の対応や体制がしっかりとなされていて、たとえば、単価2,000円の商品を毎月1個、平均3年間(36ヶ月)買ってもらえるなら、売上72,000円なわけです。
- 2,000円の商品を3年間購入(36ヶ月<36回>購入)→売上72,000円
粗利50%であれば、粗利は36,000円です。
それなら、他のコストやその後の広告費にも回すことができる。先ほどの例と比べると優に10倍を超えるほどの粗利だし、新規獲得のために十分に使えるわけです。
このように、既存客から売上が上がる仕組みを構築しておくことは、実は新規獲得につながるわけです。
その結果、既存客から売上が上がり、新規客を獲得する余裕ができる。そうなると、他社を圧倒するほど、新規を獲得できるわけです。
ますます既存顧客が増え、そこから売上も上がってくるわけです。
これは僕が関わったビジネスでも実際に取り組まれている内容です。オススメです。ぜひ、取り組んでみてください。