ステップ・バイ・ステップで売上が変わる…
企業のマーケティングの支援をしていると、よく受ける質問があります。
「何をしたら、いいんでしょうか?」
言い換えると、
「どのように進めたら、いいのでしょうか?」
というものです。
売上を上げるなど具体的な目標はあるのに、それを達成するためにどのように進めていけばいいのかわからない。
だから、行動するのに躊躇してしまうし。実現したいことが進まない。その結果、成果も上がらないわけです。実は、このようなケースは少なくないです。
そして、ここにあなたの商品やサービスを販売する上で、とても大きなヒントがああります。
実は、顧客も同じなんです。
顧客も同様にあなたの商品やサービスを買う上で、どのように購入し、購入後にどのようになっていくのかがわからないし、面倒くさい。だから、買わないってことが少なくないのです。
今回はあなたの商品やサービスがスムースに売れる!「ステップバイステップ」の活用法について話していきます。
ここがきちんと対応できていないと、あなたの商品やサービスに顧客が興味を持ったとしても必ずしも購入などの行動に移るとは限らないわけです。
シンプルな話しだけど、成約率を高めたり、売上を上げることにつながる話です。
商品が売れる!顧客が買いやすくなる「ステップ・バイ・ステップ」活用法
ステップ・バイ・ステップとは…。
「ステップ・バイ・ステップと何でしょうか?」
ステップ・バイ・ステップについては既に知っていると思うので、説明は不要だと思いますが。
「段階的に」とか「一歩ずつ進む」という意味です。階段のように一歩一歩、顧客を進めていくわけです。
ステップ・バイ・ステップが特に必要なケース
ステップ・バイ・ステップでの説明が必要なケースというのは、商品やサービスの購入方法やその後の手順などがよくわからないような時が特に必要です。
手順がわからなければ、「どうやってやるんだろう」と購入を躊躇してしまう。
それに、実際にやるべきことが「面倒臭い」と思うようなものだと、抵抗感を感じて、購入しなくなってしまうわけです。
だからこそ、シンプルな「ステップ・バイ・ステップ」の手順を提示し、購入の躊躇を避け、スムースに手順を進ませていくわけです。
ステップ・バイ・ステップの前に考えるべきこと。
では、ここからステップ・バイ・ステップの手順を考えていくのですが。
その前提として、「目標」を考えていく必要があります。
ここで1つ参考にしてほしいのが『ジョブ理論』です。
『破壊的イノベーション論』の提唱をした、有名なクレイトン・M・クリステンセン教授。彼が書いた『ジョブ理論』は2017年8月1日に発売された本です。
そこで伝えていることを一言でいうと、
「人は何らかのジョブ(用事、仕事)を片づけるために製品(サービス)を雇う」
このジョブというのが顧客にとっての「目標」のようなもの。
『ジョブ理論』では用事や仕事と呼んでいます。言い換えると、顧客自身の何らかの進歩のことです。そうした目標を実現させるため、商品やサービスを雇う(使う)というわけです。
つまり、顧客の目的は製品(サービス)そのものの購入では決してなく、顧客自身の「進歩」ということになります。
この「ジョブ」、つまり目標がズレると、売れないわけです。ステップ・バイ・ステップを考える以前に、正しい目標にすることが何よりも重要です。
実際にステップ・バイ・ステップを考える前に、あなたが設定している「ジョブ(目標)」が本当にズレていないのか、を確認してください。
補足として、具体的な話をすると。たとえば、写真編集のアプリを顧客が購入するケースであれば、顧客はそのアプリ自体が欲しいわけではありません。
顧客本来のジョブ(目標)は「写真を理想のものにしたい」ことなどになります(顧客自身の進歩させたいこと)。そして、そのジョブのために写真編集アプリを雇う(使う)ということになるわけです。
この目標が顧客が望むものと違うとダメなわけです。
(目標が違っているのに、その目標につなげるステップ・バイ・ステップを用意しても意味がないので、当然ですよね)
ステップ・バイ・ステップを用いるケース
では、実際にステップ・バイ・ステップを用いるケースについて、話していきます。
先ほどの写真編集アプリでいえば、サイトなどにアプリについて記載があって、顧客はそれを見て、「写真編集のアプリだということはわかった」とします。
でも、その後の手順がわからない。細かい文字で色々と書いてあるところはあるけれど、そんなのは1つひとつ読みたくないし。「購入方法」や「購入後の具体的な手順」がわからない。
クレジットカードが使えることはわかるのですが、その後、PCやスマホでどのように使えるのか、などがシンプルにわからない。
「安い買い物じゃないし。使えなかったら嫌だし。何だか不安だな」
そんな気持ちになったことはあなたにもネット上の買い物などであると思います。
まさにこのケースでも顧客は「よくわからない……」と躊躇し、しかも、小さな文字で色々と書いてあるし、「複雑で面倒臭い」という感じでやめてしまうわけです。
「ステップ・バイ・ステップ」が必要なのは、まさにこうした状況をクリアするためです。
顧客に提供する「ジョブ(目標)」が具体的であっても、そこに行き着くまでのステップをシンプルに具体的にしていなければ、よくわからず、不安なわけです。
だから、「ステップ・バイ・ステップ」が必要なのです。
ステップ・バイ・ステップの成果
実際の効果から先に話すと、「ステップ・バイ・ステップ」を対応することで成約率が高まります。特に商品やサービスの購入及び購入後の手順が複雑でわかりにくいものだと、かなり変わってきます。
直近のケースでデータを見ると、対応前と対応後で19.2%、成約率が高まったケースなどがあります。
もちろん、ステップ・バイ・ステップの直接的効果もあるし、そうしたところまできちんと説明(対応)することによって、信頼性が高まるということもあります。
ステップ・バイ・ステップの作成手順
ステップ・バイ・ステップの作成手順はこれまで話してきたとおりです。
- 目標を定める
- (目標に合致した形で)購入から購入後までの具体的手順を明確にする
シンプルです。
具体的な手順で伝えていくことです。
ステップ・バイ・ステップの注意点
ただし、注意点があります。
ステップバイステップを用いるのは、顧客が「複雑だ」とか「面倒だ」と思うのを避けるためです。ですから、次のことに注意してください。複雑にせず、面倒に思わせないようにすることです。
- シンプルにする(必要以上に複雑なステップにしない)
- 専門用語を使わない(複雑な言葉は使わない)
- 抵抗を少なくする(小さくステップをラクなものに見せることで行動しやすくする。特に第1ステップはラクなものとする)
特に最初のステップはハードルを低く、行動しやすくすることが重要になってきます。
ステップ・バイ・ステップの海外事例
ステップ・バイ・ステップはサイトやパンフレットなどに掲載されるだけでなく。広告でも使われている。
たとえば、南アフリカの自治体は「エネルギーを節約しよう」という一般的なメッセージを次のメッセージとし、そこにステップ・バイ・ステップを加えて訴求しています。
メッセージ:「私は10%節約することを誓います」
- SWICH OFF(スイッチを切る)
- UNPLUG(コンセントを抜く)
- SAVE!(節約する)
よくある一般的な「エネルギーを節約しよう」というメッセージでは何をしていいか、わからないし。具体的に行動に移る人は非常に少ないはずです。
ところが、今回のように「私は10%節約することを誓います」と具体的な目標になって、その実現のために「スイッチを切る」「コンセントを抜く」「節約する」という3つの具体的ステップがあると、明らかに行動しやすくなります。
先に説明した注意点のとおり、「シンプル」で「専門用語は使わない」で「抵抗は少ない(第1ステップも簡単)」ものです。
だから、訴求力もあり、顧客が行動しやすく、実際に成果につながるわけです。
あなたの商品のステップ・バイ・ステップは
さて、ここであなたの商品やサービスも確認してみてください。
「ステップ・バイ・ステップのような手順はありますか?」
ステップ・バイ・ステップがなかったり、複雑すぎたりしたら、最適なステップ・バイ・ステップを加えることです。
適切なステップバイステップを顧客に提示できれば、明らかに顧客の行動は変化し、コンバージョンレート(成約率)は変わってきます。ぜひ、実践してみてください!
まとめ
- 商品の購入手順、利用手順が複雑な場合、「ステップ・バイ・ステップ」が効果的
- ステップ・バイ・ステップを創るには、次の3つの注意点がある。
- シンプルにする
- 専門用語は使わない
- 抵抗を少なくする)
あなたへの質問
- あなたの商品やサービスは購入手順、利用手順が複雑ではないか。
- わかりやすいステップ・バイ・ステップの説明(図解)などはあるか。
- ステップ・バイ・ステップの3つの注意点は網羅しているか。
していない場合はより良いものにできないだろうか。