伊勢丹のデパ地下で
伊勢丹のデパート地下の食品などのフロアを歩いていると、「こちらをどうぞ」と店員さんがチョコレートひと口分ほどを目の前に出してきた。
珍しいチョコレートだったので「あー、どうも」と答え、それを受け取り、口に入れた。
試食だったので気軽にもらったのだけど、これが何ともいえない美味しさで、あまりの美味しさにすぐにそのチョコレートを三千円分ほど購入した。
そういえば、チョコレート以上によく試食させてもらうのがチーズで。こちらも珍しいチーズだと、ついつい試食させてもらい、美味しいとこれまた購入してしまう。
チーズは種類が多すぎて、知っているチーズならまだしも、知らないチーズについては試食しないと失敗するのが怖くて買えない。
それなりに高いし。
といっても、無料で試食させてもらうと、何もかも買ってしまうわけではない。
そこまで美味しくないものは「あー、こんな味なんですね」と答えにもならないことをつぶやき、その場をそそくさと立ち去ってしまう(無料でもらっているので、心苦しいことはあるのだけど)。
あなたも無料で提供したことがあるだろう
さて、こんな感じで。
あなたも無料の何らかのものを提供し、実際の商品やサービスの販売につなげようとしたことはあるだろう。
チョコレートやチーズのように形あるものでなくとも、形がないコンテンツを提供するサービスなども、これは非常に重要になってくる。
特に高額の商品だとここが必要になってくる。チーズのところで次のように話したように失敗するのが怖いのだ。
「チーズは種類が多すぎて、知っているチーズならまだしも、知らないチーズについては試食しないと失敗するのが怖くて買えない。それなりに高いし」
ただ、ここは慎重に展開する必要がある部分なので、「無料で提供しているのに、うまくいかない」という人も少なくない。無料で提供すれば、何でもうまくいくわけじゃない。
なので、今回はどのように「無料で提供」すればいいのか。それについて、話していきたい。
ここがわかると、商品を売ることが格段にラクになってくる。
特にブランド力がない商品、認知されていない商品、高額な商品については、これから話すことが非常に重要になってくる。
僕が支援しているケースでも、高いケースでは、無料で提供するモノから、商品の成約率が80%以上だったこともある(これは何万というサンプル数があるわけではないので、さらに低くなる可能性はあるけど、それでもかなり高めだと思う)。
では、無料プレゼントを提供した後、商品やサービスの購入率(成約率)を高めるには、どうしたら、いいのだろうか?
商品の購入率を高める無料プレゼント、3つのポイント
中毒になるモノを提供すること
最も重要なことは「中毒になる」ものを提供することだ。
中毒になるモノ、といっても、それがどのようなものなのかは最初はわかりづらいと思う。それでもまずは「中毒になる」ものということを意識することだ。
大抵の「無料」での提供が失敗に終わるのは「無料での提供だから、この程度でいいでしょ」と、まさに「無料」にふさわしい価値がないものを提供してしまうことだ。
価値がないものには対しては、顧客も文字通り価値など感じないし、それを提供してくれた人や企業に対しても、価値がないと感じてしまう。
そうではなく、価値があるもの。中毒になるほどのモノを提供するのだ。
ジェイソン・フリードがその著書『Rework』で次にように語っている。
「ドラッグの売人は、抜け目のないビジネスマンだ。彼らは自分の商品がすばらしいことを知っているので、先に少量を無料で提供する。
あとで初期投資以上のものが(現金で)戻ってくるとわかっているのだ」
即効性があるモノを提供する
無料での提供だからといって、ただ、何の意味もないモノを提供してはいけない。
先に述べたように、価値がないと思われるし、それを提供しているあなたやあなたのビジネスに対しても、価値がないモノと感じてしまう。
だからこそ、価値があるモノ。もっといえば、中毒につながるモノを提供する必要があるのだけど、そのためにはその無料のモノを体験した直後に即効性があるモノを提供することだ。
冒頭のチョコレートにしても、チーズにしても、試食した直後に「美味しい」と体験するから、実際に購入しようとするのし、再び、食べたいと思うのだ。
効果や学びがあったり、楽しくなるようなモノを提供する
即効性があるモノといっても、必ずしも効果がなければならないというわけではない。
もちろん、痛みを取り除いたり、快楽を得たりする、何らかの効果が得られるモノは望ましいけど。
何らかの気づき、学びが得られるモノでもいい。楽しくなるようなものでもいい。
いずれにしても、中毒だ。続けて、欲するようなものを提供すること。それが重要になってくる。
まとめ
- 中毒になるモノを提供すること
- 即効性があるモノを提供する
- 効果や学びがあったり、楽しくなるようなモノを提供する
まずは「中毒になるモノを提供すること」。これを意識することだ。それだけで提供方法が根底から変わってくる。
あなたへの質問
商品の購入率を高める無料提供を実現させるため、次の質問に答えてほしい。
- あなたは顧客が中毒になるモノを提供しているだろうか。
- 即効性があるモノを提供しているだろうか。
- 効果や学びがあったり、楽しくなるようなモノを提供しているだろうか。それはあなたのビジネスにとって、どのようなモノだろうか。