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映画『トイ・ストーリー』
映画『トイ・ストーリー』を知っていますか。
人気の作品なので、知っている人が多いと思いますが。
ピクサー・アニメーション・スタジオによる、1995年に公開された映画です。
単なるアニメーションではなく、劇場映画作品としては、初といわれたフルCGのアニメーション作品。
商品を売るヒント/秘密
実は、あの映画に、あなたの商品やサービスを売るヒントや秘密があるって知っていましたか?
何かというと……
「擬人化」
擬人化というのは
人間以外のものを人物として、人間の性質・特徴を与える比喩の方法のこと。
イメージしやすいのは「ゆるキャラ」なんて、まさに擬人化です。
地方の名産品や昔話を擬人化したようなキャラなので。あれは擬人化といえます。
このように擬人化という話をすると、「なんだ。単に比喩の話か」と考えてしまう人も少なくないと思いますが。実はそうではないのです。
これを知っておくと、売上を上げる確率を高めることはもちろん、売れる文章(コピー)を書いて、レスポンスを高めることにもつながります。
擬人化を使いこなすことができれば、商品にまるで心をもたせ、人間のようにし、顧客に親近感をもたせ、さらに好きにさせることだってできるわけです。
実は極めて巧妙な技術で、マーケティングに優れた企業は使いこなしている技術です。
今回はまさにその「擬人化」について、ココだけの話をしていきます。
擬人化で売る、という話です。
映画『トイ・ストーリー』を観ましたか
さて、そもそもですが。あなたは『トイ・ストーリー』を観ましたか。
『トイ・ストーリー』を創ったピクサーは、僕が好きなスティーブ・ジョブズが絡んでいたこともあり、幾度か観ています。
(アップル退社後のジョブズがルーカスフィルムが創立したピクサーの前身を買収し、ピクサーを設立しました)
映画『トイ・ストーリー』のYahoo!映画での評価は5段階中4.35。
非常に高く……
「凄く素晴らしい映画」
「子供より、大人こそ楽しめる!」
「最高に面白い!」
「何歳になっても、何回見ても面白い」
……などというレビューが続いています。
あの映画は感動しますよね。泣ける映画だと思います。
不思議なこと
ただ、ここで冷静に考えてみると、不思議ですよね。
相手は人ではないです。レビューの中には「キャラクターが全て生き生きとしていて、大傑作」などという声が多いのですが。
実際には、アニメーションなので単なる絵だし。そもそも単なる「おもちゃ」が活躍する映画です。そのおもちゃに僕らは感情移入してしまうわけです。
アニメーションの絵。しかも「おもちゃ」。
そこには本来の意味の「命」はないし、「心」もないし、「人」でもない。
それなのに、命や心をもった人間のように感じてしまうわけです。しかも多くの人に「生き生きしていて」と感動させるレベルまで、です。
これは相当凄まじいことなわけです。
擬人化
あなたの商品を好きにさせるには…
では、ここからが本題です。
もしあなたの商品を『トイ・ストーリー』のキャラクターたちのように顧客に好きにさせることができれば、商品への好感度は格段に高まり、売上も高まります。
そのためには、この『トイ・ストーリー』に使われた技術を用いることです。それこそが……
擬人化
です。
擬人化に成功すれば、あなたの商品やサービスの好感度を高めることができるわけです。
擬人化で売るための3つの方法
今から、擬人化を用いて、あなたの商品の好感度を高め、売れるようにしていく、代表的な3つの方法をご紹介します。
これからその3つを紹介しますが。実は3つめはまさに世界最高のアニメーション・スタジオ、ピクサーの考えを用いたものです。
1.視覚的に擬人化
商品を視覚的に擬人化する方法です。
商品に目や鼻をつけたり、表情をつけたりして、視覚的に人間のように見せる方法。
ゆるキャラなんて、まさにそれです。
2.文章(コピー)で擬人化
文章で、商品を人間のように伝えること。
もう少し詳しくいうと、商品が人間のように感じたり、考えたり、行動したり、しているように表現するものです。
「この毛布は、あなたを優しく包み込んでくれる」
(実際には毛布が優しくしてくれたり、包み込んでくれたりはしないのだけど、まるで毛布が意志をもった人間のように表現している)
「このクルマは何か事故が起きた時でも、あなたを守ってくれる」
3.ストーリーで擬人化
最後のストーリーで擬人化というのは、『トイ・ストーリー』を創ったピクサーの考え。
ピクサーには原則(信条)があって、その第1の原則が「物語が一番偉い」ということ。
素晴らしい物語があるからこそ、キャラクターが活きてくるわけです。擬人化をしていく時に、そのストーリーも添えることができれば、より強力になるという意味です。
ピクサーについて書かれた『ピクサー流 創造するちから』には次のように書かれています。
「第一の原則は、『物語が一番偉い(Story Is King)』。
つまり、技術であれ、物品販売のチャンスであれ、何であってもストーリーの妨げになってはならないことを意味する。『トイ・ストーリー』を観た人が、映画を創るために駆使したコンピュータ技術ではなく、自分がどう感じたかを語っていたのが誇らしかった。それは、いつも物語に導かれて映画をつくってきたことの直接の結果だと思っている」
擬人化によって、愛され、親近感をもたれる。
擬人化を用いると、あなたの商品は単なるモノではなくなります。単なるモノではなく、まるで命や心をもった人間のような魅力が、商品の魅力に加わるわけです。
それが愛され、親近感をもたれる要素になるわけです。
商品の魅力+人間のような魅力(愛される要素、親近感をもたれる要素)
擬人化の事例
擬人化はさまざまなケースで用いられています。
- SUNTORYオランジーナ
- SHARP
- トヨタ『プリウス』
……など、本当に色々なところで用いられています。
擬人化が生み出す「好意」
最後にお話したいのが擬人化によって、生み出される「愛される要素」や「親近感をもたれる要素」。
一言でいうと、好意です。
実は「好意」というのは、ロバート・B・チャルディーニの名著『影響力の武器』『影響力の正体』などにもある6つの法則の1つ。とても重要なわけです。
簡単にいうと…
「好きな人から勧められると、買ってしまう」
というもの。
顧客は好きになると、より多く買ったり、買う確率が高まったりするわけです。
「擬人化」というのは、まさにそれを生み出す方法の1つです。ぜひ、効果的に活用してみてください。
まとめ
- 擬人化というのは人間以外のものを人物として、人間の性質・特徴を与える比喩の方法
- 擬人化の方法
- 視覚的に擬人化
- 文章(コピー)で擬人化
- ストーリーで擬人化
あなたへの質問
- あなたは擬人化を用いているだろうか。
- 擬人化の代表的な方法3つから、利用できそうなものを考え、少しでも活用してほしい。