『サバイブ(SURVIVE)―強くなければ、生き残れない』
有楽町の三省堂書店に平積みされていたので、とても気になったのがこの本
欲しかった本
この本を見ていると、自分が取り組んできたことを考えてしまう。
「こういう本が当時、欲しかったよな」と。
実は、僕はマーケティングに取り組むようになって、現在17年になる。
17年取り組み、様々な企業のマーケティングを支援させていただき、大手企業やベンチャー企業などでもそれなりに成果も上げてきた(今もご依頼いただくのだから、ご満足はいただいているのだと思う。きっと)。
では、全てがわかったかというと、未だにわからないことは多く。
「俺って何でも知ってるぞ。イエー!」って感じではない。
むしろ、日々どうやったら、昨日よりもわかるようになるのか、と悩んだりしながら、前進している感じ。
それでも、マーケティングに取り組みはじめた最初の数年と比べると明らかに売る方法が見えてはいる。
きっかけとなったのはいくつかあるのだけど、人間を根本から見ていくことだった。世の中のマーケティングの書籍や情報の大半は「人間を人間として見ている」。ところが、それだけでは表面的なものしか見えない。
そこで取り組んだのが「動物」だった。
忘れがちだけど、人間は「動物」だ。
いかに洋服を着て、スマホをいじり、都会的な生活を送っていても、その根っこは動物なのだ。だから、動物の本質的なところをつかむと、これまでの考えから、さらに一歩進むことになる。
様々な方法で動物について探っていった。
学んだことをメモし、まとめ、マーケティングの結果などと結びつけていくと、「だからか……」というのが見えてくる。
そんなことを続けていた経験もあって、この本はとても気になった。
僕が取り組みはじめた当初は、このような本はまずなく、参考にする書籍を探すのにも苦労したのだけど、この本はマンガでわかりやすく書かれているので、自己啓発やビジネスに取り組む上で非常に理解しやすい。興味がある人はぜひ読んでほしい。
本書のポイント
冒頭のとおり、僕がマーケティングを磨く上で動物を研究したのと比較的考え方は似ている。
簡単にいえば、古今東西の「強い生物」から「強くなる方法」を考え、自分たち人間が、銅強くなればいいのか、を考えるということだ。
それを「パワー」「集団戦」「知略」「愛」「タフネス」「集中力」「逃げ足」の視点で、計72種+αの動物で説明していく内容。
冒頭はこんな感じでスタートする。
「これまで、気が遠くなるほど長い歴史を刻んできた地球。
栄えては散り、散っては栄える命の中で繰り返されてきた自然界の掟がある。
それは、生物はすべからく『強くなければ、生き残れない』ということ」
「だがしかし、そもそも『強くなる』とは、なんなのだろうか。
ひと口に強さといっても、さまざまな方向性がある」
「強さの尺度は一つではない」
「身体能力の強さ、自分を守るための武器、相手よりも先んじるための知恵、心の強さ……etc。
どう強くなれば、生き残ることができるのだろうか?
生物は千差万別の方法で進化を果たし、今に至る」
前作『LIFE<ライフ> 人間が知らない生き方』もAmazonのレビューの評価が4.6と非常に高い。こちらもオススメの1冊だ(2017年11月15日現在)。
この本の使い方
たとえば、次のような内容があったとする。
「シャチは圧倒的なスピードを持ち、サメ類を『体当たり』だけで殺傷することができる」
そうしたら、これと同じことが自分の置かれている状況で用いることができるか、を考えてみる。圧倒的なスピードで体当たり、というのは自分の状況では何か。きっと考えれば、いくらでも出てくる。
そうやって読んでいくと、様々な状況に武器になってくれるはずだ。
書籍内容
【生物学の天才と奇才漫画家が描く、異色のマンガ作品! 】
これまで、長い歴史を刻んできた地球。
その中で、どんな時代も変わらず繰り返されてきた自然界の掟があります。
それは「強くなければ、生き残れない」ということ。
あらゆる生物が、生き残るための強さ(武器)を磨いてきました。
しかし、そもそも「強くなる」とは何なのでしょうか?
「ケンカに負けない力」、「毒などの飛び道具」、「圧倒的なスピード」、
「ずる賢しこさ」、「何があっても動じない心」
……ひと口に「強さ」といっても、さまざまな尺度があります。
本書『サバイブ』では、「最強生物」と呼び声が高い
古今東西72種の生き物たちを引き合いに、「本当の強さとは何か」を考察していきます。
- ティラノサウルスの3倍の力を持っていたメガロドン…を絶滅させたと言われるシャチのスゴさ
- バク転で走るとなぜか通常の2倍のスピードで動けるクモ
- 大型のワニを捕食するアマゾンのカワウソ
- 標高4000m越えでも高山病にならないヤクの秘密
- 自重の40倍の重量を持ち上げられる美しきチョウの正体
- 『X-MEN』ウルヴァリンのモデルとなった小さな暗殺者
- 人間を超える脳の質量を持ったネズミ
- なぜか食べられないウミウシの生存戦略
- 地球外生命体の可能性を示唆する深海の極限生物
……などなど、息もつかせぬ知識の応酬でお送りする全228ページ!
果たして、強い生き方とはどんな生き方なのか?
著者情報
麻生羽呂(あそう・はろ)
関西大学工学部生物工学科入学。大学5年次に中退、漫画家を志す。2008年「週刊少年サンデー」にて『呪法解禁!! ハイド&クローサー』を連載。2010年、同誌にて『今際の国のアリス』を連載開始し、2016年に全18巻で完結。現在、「月刊サンデーGX」にて『今際の路のアリス』を原作者として連載中。プライベートでは無類の旅好き・酒好き・温泉好きであり、オフの期間は日本中を渡り歩く。その独特な生態から、周囲からは「漫画家らしからぬ漫画家」と呼ばれている。今作では漫画を担当。
強いと思う生き物は、アムールトラ(ネコ科最大の孤高のハンターであり、見た目のカッコよさも、また強さだと思うから)。
篠原かをり(しのはら・かおり)
横浜雙葉高等学校卒業後、慶應義塾大学環境情報学部に入学。スペースクラフト所属。生き物をこよなく愛し、大学の研究テーマは昆虫タンパク。家庭でも約300匹の昆虫、タランチュラ、イモリ、ウーパールーパー、マウスなどを飼育。生物に関する膨大な知識と偏愛ぶりが話題を呼び、「アウト×デラックス」、「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!」などに出演。また、クイズ女王として「Qさま!!」にも出演している。著書に『恋する昆虫図鑑~ムシとヒトの恋愛戦略』(文藝春秋)、共著に、麻生羽呂氏との『LIFE~人間が知らない生き方』(文響社)がある。本作では原作と解説を担当。
強いと思う生き物は、チョウチンアンコウのオス(理由は、命のすべてをメスに捧げる、という徹底ぶりに感動したから)。