年商1億3千万に達した起業家
「初年度で1億3千万円です」
初年度というのは創業初年度。
1年目で1億3千万円に達したと、支援している起業家の彼が連絡してきました。
大手で働く人は初年度1億3千万円がどれだけ凄いのか、ピンと来ないかもしれないけど。
これは素晴らしくて。
彼はその後、売上を伸ばし、現在は年商3億になりそうな月商に達しています。
彼には「勝ちパターン」が見えていて。
営業。開拓などそれぞれをどうしていけば、売上、利益が伸びていくのかが明確になっていて、だからこそ、うまくいくわけです。
「10億くらいまでは見えてきました……」
10億というのは年商10億。彼はそう言っていましたが。これは大げさではなく、事実、それを実現させていくのだと思います。。
僕は大手からベンチャーまで、顧問などをさせていただき、マーケティングの支援をしていますが。特にベンチャーでいえば、上場を狙っていて創業数年で年商10億になった企業、創業数年で通常以上に成長している企業があります。
彼ら成長している企業の多くも全体的な「勝ちパターン」。
言い換えると、「戦略」が見えているわけです。
戦略なしにビジネスをしてもうまくいかない…
ですが、うまくいかない企業、ビジネスには「戦略」が見えていない。
戦略がないから、本当に暗中模索。真っ暗闇の中、前も見えずにビジネスをしていくことになってしまうわけです。
先ほどの急成長を遂げたビジネスなどとは違います。彼らにはいくつかの成果が上がる方法が明確にあり、それを組合せた戦略がある。目的が明確で、戦略が明確だからこそ、「これならイケる!」と大胆に勝負でき、初期の売上が微々たるものになるほど、売上は急成長を遂げていくわけです。
うまくいかない企業は「見えない」。
真っ暗闇の中、ライトもつけずにクルマを運転したら怖いですよね。自信をもって、前に進んでもいけないし。下手をしたら、クルマを走らせるのをやめてしまうかもしれない。
恐ろしい。不安。動揺。そんな愕然とした状況の中でビジネスを展開していくことになるわけです。
「どうしたら、いいんだろう……」とベッドに入っても、眠れない状況になってしまうことだってある。
実際、そのような企業に「戦略」について確認をしても、「戦略ですか……。いや、ないですね」と戦略らしい戦略はない。
戦略がないというのは、大まかな戦い方がないってことです。だから、うまくいかないわけです。
よくあるのが単なる計画のような戦略。実際には戦略というより、計画らしいもの。
でも、戦略は単なる「計画」ではないし、とても重要です。
というわけで、今回はあなたが失敗しないために、戦略の基本的な話をしたいと思います。
そもそも、戦略って何か
戦略という言葉で、イメージするものの1つが、カール・フォン クラウゼヴィッツの『戦争論』だと思います(もちろん、ビジネスではマイケル・ポーターなども有名ですが)。
カール・フォン・クラウゼヴィッツは、プロイセン王国の軍人で軍事学者である。 ナポレオン戦争にプロイセン軍の将校として参加しており、シャルンホルスト将軍およびグナイゼナウ将軍に師事。
クラウゼヴィッツは、戦略をこう語っています。
「多くの戦闘を連合して戦争の目的を達せしめるのが戦略であり,一つの戦闘を計画し実施するのが戦術である」
ざっくりといえば、
多くの戦い方を組合せて、目的を実現するのが戦略。
1つの戦い方を計画し実施するのが戦術。
冒頭の成功している起業家などは1つひとつの戦い方(戦術)を組合せて、どうすれば、目的が実現するかが明確なわけです。
で、ここから、どのように戦略を立てれば、いいのか。初心者でもわかるように話していきます。
失敗しない、売れる戦略を立てる心構え
まず、戦略を立てる前に心構えから。
本気で成果を上げる戦略を創る、と信じてください。
本気で信じないと、適当に作る「計画」のようになります。
うまくいっていない人というのは、過去もうまくいっていないことが多くて、そういう人が作る計画というのは、実現してこなかったものが多いんですよね。とりあえず、作るけど、実現しない。
だからこそ、これまでとは違うと信じてください。
成果が上がる戦略を作る、と本気で心から信じてください。
失敗しない、売れる戦略を立てる3つのステップ
では、スタートしますね。
「失敗しない、売れる戦略を立てる3つのステップ」です。
- 未来の結果(ゴール)
- 成果を組み合わせる
- シンプル
1.未来の結果(ゴール)を決める
最初に必要なのは目的です。
言い換えると、未来の結果(ゴール)。具体的な未来の結果です。
どんな結果を手に入れたいのかを明確にするわけです。
日常でいえば、たとえば、あなたは今、渋谷にいて、そこから「新宿(未来の結果)」に行くと明確にするから、それが実現できるわけです。
あなたのビジネスも同じで、そのビジネスで何を手に入れるのかを明確にする。
ここが明確になれば、具体的に何をすればいいのか、が明確になります。
先ほどの例。渋谷にいて、そこから「新宿(未来の結果)」に行く例でいえば、山手線に乗る、などが決まるわけです。
2.成果を組み合わせる
次にやることは「成果を組み合わせること」。
クラウゼヴィッツは「多くの戦闘を連合して戦争の目的を達せしめるのが戦略」と語っていましたよね。つまり、「多くの戦い方」を組合せていくのですが、ここは成果を組み合わせるようにすることがポイントです。
そして、重要なのはギャップを意識することです。ギャップを意識し、成果を組み合わせるわけです。
- 現在からゴールまでのギャップ
- 成果の組合せ
まず、現在からゴールまでのギャップ。
渋谷のある場所から、新宿のある場所に行くなら。ギャップを考え、そのギャップを埋めるため(そこに行くため)に、渋谷駅まで「徒歩」で5分歩き、山手線に7分乗り、新宿駅から「徒歩」で10分歩くなどとなるわけです。
つまり、ギャップを埋めるために、多くの戦い方を組合せるわけです(徒歩、山手線など)。
多くの戦い方を組み合わせるところで、重要になってくるのが成果を組み合わせることです。
未来の結果(ゴール)を実現する可能性を最大限高めるため、実際に過去に成果をあげた戦い方を優先させ、それを最大限用いていくわけです。
うまくいっていないビジネスはここが中途半端なんですよね。
過去に成果をあげた戦い方と成果を生むだろうと期待している戦い方が曖昧だったり、成果をあげた戦い方を限界まで用いていなかったりするわけです。
そして、過去に成果をあげた戦い方だけでは、未来の結果(ゴール)を実現できない場合は、可能性がある戦い方も用いていきます。実際の現場では、他のクライアント企業(支援企業)の成功パターンなどを適用させていきます。
必要なのは最も効果が上がりそうなところに最強の武器を投じること。
これに尽きます。
3.シンプル
最も短期間で、もっとも簡単に実現するようにしていきます。
未来の結果から、やるべきこと(戦い方)を組合せていきましたが、もっと短期間に、もっと簡単に実現できるように考えていくわけです。
ここで重要なのは「やらないことを決める」ことです。
あなたの企業が小規模で、目標が小さい時は「やらないこと(やるべきことでないこと)」はいくらでもあります。
たとえば、年商2千万円ほどを狙うのであれば、やるべきことはごくわずかでいいし。
年商10億でも、成果が上がる、可能性が極めて高いもので組み合わせ、やるべきでないことを省くわけです。
結果、戦略は非常にシンプルで明確になっていきます。
UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメント教授のリチャード・P・ルメルトはこう語りました。
「よい戦略は必ずと言っていいほど単純かつ明快である」
この言葉どおり、シンプルになっていくわけです。
まとめ
今回の3つのステップを時間をとって、考え抜いてください。
全体の方向性が明確になり、実際に成果が上がるようになったら、その戦略を加速させていきます。大胆に展開していくことが可能なわけです。
過去に深く関わったあるビジネスはこれによって、スタートは700万円だった年商を年商10億以上にもっていったわけです。