『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』
この本はとにかくオススメで。顧問先企業の経営者やその他クライアントの方にとにかくオススメしている1冊。
(帯には『ジョブズ、ザッカーバーグを超える無敵の男』とありますが、それは人によって評価は異なるので、何ともいえませんが……)
独立起業している人にとって、1冊全てを読むべきか、といわれるとそうではない部分もあるというのが本音ですが。それでも、非常に多くの『気づき』を与えてくれる1冊だと思います。
ちなみにピーター・ティールを知らない人のためにご紹介すると、次の人です。
ピーター・ティール
ピーター・アンドレアス・ティール(Peter Andreas Thiel、1967年10月11日 – )は、アメリカ合衆国の起業家、投資家。PayPal(ペイパル)の創業者。シリコンバレーで大きな影響力を持つ「ペイパル・マフィア」の中では、「ドン」と呼ばれている。
(参考:Wikipedia)
記述にあるようにPayPalの創業者であり、投資家としてFacebookの初の外部投資家であり、取締役にもなっています。
ここで注目すべきは、創業者としてだけでなく、投資家としても成功をしている人だということ。それにより、主観的にも客観的にも「起業」というものを語っています。
その意味では投資家として、どのような企業が優れた企業と考えているか、なども独立起業している人にとって、とても参考になるはずです。
『ピーター・ティール』
印象に残ったポイント
ピーター・ティールの
もっとも重要な質問
『ゼロ・トゥ・ワン』でも有名な質問
「あなたにとって、賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
ピーター・ティールの質問
2014年に発したピーター・ティールの言葉
「自分にたずねてみるといいでしょうーーなぜこれをするのか?それがしたいからやっているのか?それとも面目を保つためだけにやっているゲームなのか?」
ピーター・ティールのように逆張り思考の人間。しかも並外れた結果をねらうなら、踏み固められた道ではなく、道なき道を選ばなければならない。
ピーター・ティールの哲学
「『毎日を人生最後の日であるかのように生きよ』という決まり文句を聞いたことがあるでしょう? でも実際は逆です。『毎日を自分が永遠に生きるかのように生きよ』が正しい。
つまり、きみのまわりにいる人間を、これからも長くつき合うつもりで扱うべきなんです。きみが毎日下す一つひとつの選択がとても大事です。その結果は時間の経過とともにどんどん大きくなりますから」
ピーター・ティールが語る
「失敗」
「完全に打ちのめされるような失敗をしたとしても、それがどうしたと言いたい。もっとやりがいのある道はいつだって見つけられるんですから」
ピーター・ティールが語る
「模倣」
フォーチュン誌のインタビューで、ティールはジラールについて熱弁をふるった。
ジラール思想の核にあるのは模倣理論と競争。
ジラールによれば、人間の行動は「模倣」に基づいている。人間は他人が欲しがるものを欲しがる傾向にある。したがって模倣は競争を生み、競争はさらなる模倣を生む。
ピーター・ティールはこう語った。
「模倣こそ、僕らが同じ学校、同じ仕事、同じ市場をめぐって争う理由なんです。経済学者たちは競争は利益を置き去りにすると言いますが、これは非常に重要な指摘です。ジラールはさらに、競争者は自分の本来の目標を犠牲にして、ライバルを打ち負かすことだけに夢中になってしまう傾向があると言っています。競争が激しいのは、相手の価値が高いからではありません。人間は何の意味もないものをめぐって必死に戦い、時間との闘いはさらに熾烈になるんです」
「人は、完全に模倣から逃れることはできないけれど、細やかな神経があれば、それだけでその他大勢の人間より大きく一歩リードできる」
ピーター・ティールの
マニフェスト
ピーター・ティールが立ち上げたファンダーズ・ファンドのマニフェストにはこうある。
「誰もがすることをするだけでは不十分です。人が息を飲むような新しく意欲的なことをする企業に投資するのは、刺激的なものです」
ピーター・ティールの
成功のための基本
強固な友情が成功のための基本
ブルームバーグのインタビューでこう語っている。
「よくあるスタートアップ神話は、全能の創業者が1人ですべてを実現するというものですよね。でも僕は、どのプロジェクトであれ一人でやったことはありません。僕にはよく話し合う友人がいて、彼らと密に協力しながら仕事をしているんです」
ピーター・ティール
成功するスタートアップの鍵
成功するスタートアップの鍵は次の3つと語っている。
- 「唯一無二であること」
- 「秘密」
- 「デジタル市場で独占的ポジションを確保していること」
ピーター・ティール
スタートアップの10のルール
これは必読。詳しく読むべき!
ピーター・ティールがスタートアップの10のルールを述べている(ここは非常に興味深くて、ここだけでも必見。詳細は本を読んでみてください)
- きみは自分の人生の起業家である
- 1つのことを、他の人を寄せつけないほどうまくやろう
- きみの人生と会社に、自分と結びつきのある人を的確に配置しよう。互いに補い合える相手と組もう
- 独占をめざそう。競争からはさっさと身を引き、他社との競合を避けよう
- フェイク起業家になるな
- ステータスや評判だけを基準に評価するな。ステータスに惑わされて下した決定は長続きせず、価値がない
- 競争は負け犬がするもの。まわりの人間を倒すことに夢中になってしまうと、もっと価値があるものを求める長期的な視野が失われてしまう
- 「トレンド」は過大評価されがちだ。最新ホットトレンドに飛びついてはならない
- 過去に執着するな。なぜ失敗したのかすばやく分析し、あとは前を見て、方向を修正していこう
- 成功に通じる秘密の道を探そう。その他大勢がすることを真似してはいけない
『ピーター・ティール』
書籍内容
シリコンバレーの大物は、みんな「この男」に学んでいる。ジョブズ、ザッカーバーグを超える無敵の男、その全戦略と破壊的思考法にせまる初の本!
- フェイスブックを最初期から支える超大物投資家。
- テスラ、ユーチューブ、リンクトインなどの名だたる起業家を輩出したペイパルの伝説的共同創業者。
- ドナルド・トランプを意のままに操り、「影の米大統領」(ポリティコ誌)とささやかれるテクノロジー政策顧問。
- スタンフォード大学を震撼させた自由至上主義哲学者。
- そして、シリコンバレーの頂点を極めながら、誰よりもシリコンバレーに絶望している男
・なぜ彼は革命的決済サービス「ペイパル」を成功させることができたのか?
・なぜ「ユーチューブ」「テスラ」「リンクトイン」などの名だたる創業者を輩出できたのか?
・なぜ「フェイスブック」の可能性をいち早く見抜けたのか?
・CIAやFBIを顧客にもつ謎のデータ企業「パランティア」を創業した理由とは?
・トランプを支持し、テクノロジー政策顧問を引き受けた真の狙いとは?
・なぜ世界に「自由」と「テクノロジー」が必要なのか?
・なぜシリコンバレーの頂点を極めながら、シリコンバレーにイラ立ちつづけるのか?
著者紹介
トーマス・ラッポルト
1971年ドイツ生まれ。起業家、投資家、ジャーナリスト。世界有数の保険会社アリアンツにてオンライン金融ポータルの立ち上げに携わったのち、複数のインターネット企業の創業者となる。シリコンバレー通として知られ、同地でさまざまなスタートアップに投資している。シリコンバレーの金融およびテクノロジーに関する専門家として、ドイツのニュース専門チャンネルn‐tvおよびN24などで活躍中