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『1分で話せ』
現在、Amazonの書籍の総合ランキングで57位(2018年4月26日)。
最近、ランキング上位が続いている本『1分で話せ』
商品やサービスなどを提案する場合においても「シンプルに何なのか」をスムースに伝えたいと考える人もいると思うので、今回はこの1冊を紹介したい。
ただ、この本は『1分で話せ』というタイトルのとおり、表紙を見れば、その内容の大枠がわかってしまう。
「結論」+「根拠」+「たとえば」=「で伝わる・記憶に残せる」
結論から話し、根拠を述べて、そのあとにたとえば……と具体例を話していく。そんな流れだろうな、というのが伝わってくる。
著者はYahoo!アカデミア学長であり、グロービス講師でもある伊藤羊一氏
表紙にはこうある。
「孫社長にも認められたプレゼンターの『強く』『印象に残る』話し方」
それでは印象に残った点、ポイントなどを話していきたい。
印象に残ったポイント
1分でどんな話も伝えられる
「どんな話でも『1分』で伝えることはできる」
逆にいえば、1分でまとまらない話は何時間かけても伝わらない。
余談)僕は多くの営業マンの対応をする顧客(発注者/決済権者)だったことがあるのだけれど、その時にもこれは少し感じたことがある。30分ほどのプレゼンであったとしても、それをシンプルに1分ほどで話せない人は、30分ほどのプレゼンもうまくはやれない。
要は、重要なポイントが明確になっていないからだ。
誰に何をどうしてもらいたいのか。
「何のためにプレゼンするのか」ということを言語化すると……
ほとんどの場合、
「(どこで)誰に、何を、どうしてもらいたい」
という構造になっている。
誰に
まず、相手は「誰」なのか。
- どういう立場にいるのか
- どんなことに興味があるのか
- どんなことをこのプレゼンに求めているのか
- 専門的な要素についてどのくらい理解できるか
- 何をどんな風に言うとネガティブな反応をするのか
行動(どうしてほしいかを考える)
聞き手に単に理解してもらうのではなく、「理解したうえで、どうしてほしい」のか、聞き手が動くのか、話し手が動くのか、どうすればいいのか、を必ず考え、伝える必要がある。
余談)僕が接してきた「自信のある優れた営業マン」は単に商品やサービスを説明して、相手(顧客)に理解してもらうだけではなく、商品を購入してもらう、前提が明確にあるので、商品購入後の説明も具体的にしてくる。
ワンメッセージで伝える
「自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す」
自分の伝えたい内容を「一言(のキーワード)」に包み込む。
悩むのではなく、考える
悩んでも結論は出ない。
考える(結論を出す)習慣をつくることが重要。
そのための黄金の質問は次の3つ。
- だから何
- ファイナルアンサー
- 本当か
文字、言葉、文章をシンプルにする
「使う文字・言葉を少なくし、文章をややこしくしない」
プレゼンで話す言葉は特に「短く、言い切る」ことを心がける。
イメージしてもらう方法
イメージを描いてもらうための2つの方法
- ビジュアルを見せる
- 「たとえば」といって、具体的な事例を示す
人前で話す時のポイント
- 視線:しっかり聞き手を見る
- 手振り:多少、動きをつける
- 声:相手と対話するように声を届ける
- 間合い:話の区切りで、普段より3秒ほど長く、間をとってみる
フレームワーク
話の進め方、基本は3段で作る。
- 「結論」→「根拠」→「たとえば」の流れ。
伝え方のパターン
- SDS:Summary(まとめ)-Detail(詳細)-Summary
- PREP:Point(主張)-Reason(根拠)-Example(例示)-Point
- PCSF:Problem(問題)-Change(変化)-Solution(解決策)-Future(未来)
相手の質問に対して
想定外の質問を突然された場合、早く答えなければと焦る必要はない。まず落ち着いて相手の質問を聞き、次のことを考えて答える。
- YES/NOで答えればいいのか
- アイデアを聞かれているのか
- 懸念点を答えればいいのか
書籍内容
1分でささる伝え方!
●ヤフーアカデミア学長にしてグロービス講師
孫社長にも一目置かれた伝説の「伝え方」!
・プレゼンに限らず、人前に立って話をする、指示をする、伝える、ということが苦手な方はいるでしょう。著者の伊藤氏は、そのプレゼンを聞いたソフトバンクの孫社長から認められるほどの技術の持ち主であり、今はグロービスの講師として、ヤフーアカデミアの学長として、起業家からビジネスパーソンまで年間300人以上のプレゼンを指導し、ピッチコンテストなどでの優勝者を続々と輩出しています。本書では、「右脳と左脳」に働きかける伊藤氏独特のメソッドを紹介します。
●1分で話せない話は、どんなに長くても伝わらない
・「話が長い、手短に話せ」と言われる方は少なくないでしょうが、伊藤氏の考えは「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」というもの。長いのは話がまとまっていない証拠でもあり、相手に伝わらない一番の原因。そこで本書では、伝わる伝え方の「型」の部分だけでなく、「結論の決め方」、「言い切れない」というメンタルの部分の話から、1分で記憶に残す方法など、誰でもできる方法を紹介します。
著者説明
伊藤羊一(いとう よういち)
ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長。
株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。1990年に日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援などに従事。2003年プラス株式会社に転じ、事業部門であるジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編などを担当した後、2011年より執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。
かつてソフトバンクアカデミア(孫正義氏の後継者を見出し、育てる学校)に所属。孫正義氏へプレゼンし続け、国内CEOコースで年間1位の成績を修めた経験を持つ。
2015年4月にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇に立つほか、多くの大手企業やスタートアップ育成プログラムでメンター、アドバイザーを務める