この質問にあなたは何と答えますか
今、あなたがこう質問されたら、何と答えますか?
「売れるために(あなたは)何をしなければいけないと思いますか?」
あなた、もしくはあなたのビジネスが「売れる」ようになるためには、何をしなければならないのかってことです。
乱暴にいえば、「売るために何するの?」ってことですね。
もちろん、そのビジネスにもよるけど。
「営業します」と答える人もいるだろうし。
「売るために広告を打ちます」という答えもあるかもしれない。
そもそも勉強が足りない場合は「ビジネスやマーケティングを学びます」という人もいるかもしれない。
……確かにそれらも重要です。
でももっと基本的なことで、もっと重要な、とても効果的なことがあります。今回はそれについて、話していきます。
売るための基本的な心構えは何か
まず、確実に押さえる必要がある、重要なことの1つは「売上は他人から来ている」ということ。
自分(たち)がいかに努力しても、結局、他人がいなければ始まらない。
(自分以外の)他人が評価し、買おうと思い、お金を支払ってくれるので、売上が上がるわけです。
これはビジネスだけではないです。人間の人生、生活そのものがそう。
恋愛だって、他人がいて、他人からの想いが得られるから成り立つのだし。結婚だってそう。友人との関係だって、他人が自分と会ってくれたり、話してくれたりすることで、成り立つわけです。
自分からの一方通行では成り立たない。この世界の「幸せ」のほぼすべては「他人」からやってくるわけです(厳密にいえば、「孤独」で1人でいても、誰からも愛されなくても、楽しめる。そんな達観した人物は別です。ただ、そんな人はほとんどいないはず)。
少し話は変わるけど、僕はマーケティングに取り組んで、17年以上になりますが、その途中で僕の考えを大きく変えた考えに出会いました。
それが「売上の源泉は顧客(他人)」ということです。
「売上の源泉は顧客」
聞くとシンプルかもしれない。「なぁんだ」と思うかもしれない。
でも、僕は複雑なことばかりを学び、かなりの遠回りをし、このシンプルなことに気づき、そこから効果的な方法をいくつか用いるようになってから、成果を出す確率が格段に変わりました。多くの失敗を経験して、確実に成功するものに変わっていったわけです。
さらにそれを突き詰めていくと、次の考えに行き着いたわけです。
「売上は他人から来ている」
でも、僕はこのことに気づかなかった
「売上は他人から来ている」
この考え方に基づいていくと、(売上を上げるには)自分以外の他人に貢献することが何より重要です。
うまくいっていない人
うまくいっていない人ほぼ全てに言えるのは、他人から自分という流れで「幸せ」がやってくるのに、「自分」のために一生懸命だということです。
自分の楽しみ、自分の幸せ、自分の利益、自分のため、自分のため、です。すると、どうなるのか。
他人ではなく、自分にだけ力を向けることになるわけです。
幸せは他人から来るのに、自分に対して必死な形です。
恥ずかしい話ですが、僕はこのことに気づくのに、随分と時間がかかりました。
会社員時代は、そのことに気づかず、ひたすらに自分が頑張っていました。自分が目指すことをやる。思ったことをやる。それを実現するため、ひたすらに努力する。ただ、ひたすらに、です。
確かに、これでも、歯を食いしばり続ける努力をすれば、それなりに高い成果や売上は上がります(ムダが多いのですが、必死にそこまで努力すれば、少しは他人に貢献する部分もあるからです)。
ただ、ある時に僕はふとそのことに気づいたのです。明確には理解していなかったのですが。本当に偶然にも幾人かの方には自分(僕自身)の利益は無視し貢献していていた。それらが後にとんでもないほど大きな幸せにつながっていったわけです。
「あれっ……、もしかしたら、他人に貢献するとうまくいくのか……」
それまで自分に起きたこと。うまくいったこと、驚くほどの幸運といえることを振り返ると、確かに「自分ではなく他人に貢献する」方が圧倒的にうまくいったわけです。
それに気づいた自分は、以前のように自分が(自分のために)頑張ることをやめました。夜中の2時まで必死に勉強し、仕事し、ひたすらに頑張るようなことをやめたわけです。
そして、その力を自分以外の他人。協力者や仲間はもちろん、お客さまやそれ以外の人に最大限向けていったわけです。
……結果はどうだったか。
劇的に変わりました。恐ろしいほどに、です。もちろん、頑張り続けてはいますが。それを向ける方向が違うことで、まるで世界が違うように、変わってしまいました。
ただ、間違ってはいけないことがあります。それが「返報性の法則」を意識するのではないということです。
返報性の法則ではありません
「返報性の法則」というのは、ロバート・B・チャルディーニの有名な名著『影響力の武器』でも取り上げられている法則の1つで、「返報性の原理」ともいいます。
返報性の法則
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
返報性の法則というのは、まさにこの意味なのだけど。
では、大きな見返りを期待して、他人に何かをする、のはうまくいくのか?
僕が関わったケースでいうと、これはなかなかうまくいかない。特にビジネスでは、返報性の法則を利用した無料のプレゼントなどはそこら中に氾濫しているし、それで恩恵を受けたとも人(相手)は思ってくれない。
そもそも、多くの人は詐欺師のようなことはできないです。自分の心の中で「大きな見返り(利益)」を期待して、相手(他人)にそれを感じさせないように何かをする、ということはできない。どこかでそれが伝わり、不自然になるわけです。
少なくとも、僕はできないし、僕が支援してきた多くの人もできない。
だったら、どうすればいいのか
もし、あなたがうまくいっていないと苦しんでいるのなら、一度、自分のことは忘れた方がいい。自分の利益など中途半端に考えると、頭の中は複雑でシンプルさはなくなり、行動も矛盾してくる(もちろん、ビジネスなので損失は避けた方がいいですが、できる限りです)。
目の前の他人。たとえば、顧客のために出来得る限り行動してみる。相手の状況をしっかりと見て、相手のためになることを自分(たち)ができる範囲で提供してみることです。
断言するけど、明らかに世界が変わってくる。
だって、次のように、他人にダイレクトに力を入れていくことになるのだから。
もちろん、どんなことでもいい。
僕の場合でいえば、たとえば、ある方が何かで困っていたら、その問題を調べて、参考になる情報を送ってあげる、とか。もっと些細なことでいえば、連絡をもらったら、すぐに返信するなど。自分の利益ではなく、進んで他人のためにしようと意識を変えたわけです。
すると……。「助かりました」とか「うまくいきました」などとご連絡をいただき、「ああ、良かったな」と自分のことのように喜んでいると。
さらに、相手の方から「橋本さんのような人にうちの仕事を手伝ってほしいんです」とお仕事の依頼を受けたり、次々に仕事がうまくいくようになったわけです。
ただ、それでも自分の利益を意識しないようにしています。
あと、僕にとってよくあるケースは。
「橋本さんにうちの商品を試してほしいんです」とプライベートの場で相談され、その感想を求められるケースが非常に多くあります。そこで感想は軽くお話するのですが。僕は仕事など関係なく、必要なことを少しまとめ、メールで軽く送ったりします。
すると、「橋本さんにお願いしたいんです」とお仕事をいただく。そういうことがよくあります。
ECや通販などでも同じです。僕のクライアント企業はまさにこれを実施し、あること(ここはその企業の企業秘密なので、お話できませんが)を実施し、顧客満足度は非常に高まり、口コミはすごく、売上は急激に伸びています。
もし、今、うまくいっていない方は、まずは自分を全てなくしてしまった方がいいです。
他人は自分の利益を考えている人のためには動いてくれない。純粋に「他人のために」と動いている人と、「自分の利益のために」と動く人では明らかに違うわけです。
ビジネスは誰かが買ってくれることで成り立ちます。自分だけがどんなに頑張っても、買ってもらうことはできないです。その意味でも、自分以上に他人。
他人とは顧客だけではない。仲間もそうだし、パートナーもそうです。
その彼らに対して。何かをすれば返してもらえるから、などという「自分の利益」が容易に見透かされる行動ではなく、まずは自分は忘れ、他人に尽くしてみてください。
100%断言できますが、驚くほどの変化が起きます。そして、変化が起きてくれば、自分も幸せになってきます。
最後に僕が常に意識している言葉をお届けします。
「自分を幸せにしようとしても、自分は幸せにならない。
他人を幸せにしようとすることで、自分は幸せになる」
橋本哲児